先日1年程通われている40代女性のクライアントさんから、
ここに通う前は前ももの張りがひどくて、何をしてもなくならなかったけど、1年前の写真を見て比べるとだいぶ前ももの張りがスッキリしましたよね。
と言われました。
前ももの張りがひどいと悩む方もいると思いますが、この悩みの改善ポイントは、
前ももにかかる過剰なストレスをいかに取り除けるか
が重要になります。
クライアントさんもあらゆる場面で姿勢や歩き方などを気をつけていただき、毎日緩める習慣をつけていきました。そうすると、徐々に前ももの張りが改善したんですね。
よく「筋力不足」や「体幹が弱い」などと言われますが、必要なことは人によって異なります。ただ1つ確実に言えるのは、根本原因を取り除くと前ももの張りは改善するということです。
この記事では、
・なくならないのはなぜ?前ももの張りがひどい原因
・ひどい前ももの張りを改善する5つの方法
などを、パーソナルトレーナー歴13年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の内容はYoutubeでより詳しく解説しているので、よかったらこちらも参考にご覧ください。
今回の記事の内容
なくならないのはなぜ?前ももの張りがひどい原因
ひどい前ももの張りで悩まれていたクライアントさんは、僕のところに通われる前は、
・別のパーソナルジムで筋トレをハードにしていた
・ホットヨガにも通い、きつめのレッスンを受けていた
・トレーナーから食べろと言われ、過食気味だった
・仕事も忙しく、常に睡眠不足気味だった
・姿勢や歩き方は自己流で、つま先重心+歩くのが早い
こういった生活習慣や癖がありました。
クライアントさんのカウンセリングを行っていると、以下のような原因で前ももの張りがひどい&なくならないということにつながっている可能性があったんですね。
・筋トレのフォーム、重量が不適切
・前ももに負荷がかかる運動などをやりすぎ
・食べ過ぎて交感神経が優位な状態
・歩くのが早過ぎる
・毎日身体を緩める&休める習慣がない
こういった原因を本来であれば1人1人みえていく必要がありますが、同じ悩みを抱える方はこういったことを改善すると前ももを改善できます。
それぞれ詳しく解説しますね。
筋トレのフォーム、重量が不適切
40代女性のクライアントさんは、僕のところに通われる前にもパーソナルジムで指導を受けていたそうです。
そこでは、
・週2回の頻度
・1回90分間
のパーソナルトレーニングを受けており、ハードな筋トレで“全身を鍛える”ということをメインで行っていました。
特に時間をかけて行っていたのが、
・スクワット
・デッドリフト
・ワイドスクワット
など。
これらを行う意味としては、
・下半身の筋力アップ
・体幹を鍛える
などの目的があって行っていたそうです。ただこのフォームや強度の問題で、前ももの張りができていた可能性があったんですね。
スクワットやデッドリフトのフォームを確認してみると、どちらの種目も、
お尻を後方に突き出し、身体を前に倒すようなフォーム
でされていました。
スクワットで言えば、こういったイメージでしゃがんでいました。
こういうしゃがみ方をしてしまうと、前ももにある「大腿四頭筋」が伸ばされながら強いストレスを受けるため張ってしまいます。
こういったフォームの問題とあわせて、扱っている重量が重すぎました。
・スクワット=60kg
・デッドリフト=50kg
高重量で限界まで脚を追い込んでおり、その結果前ももの張りがひどくなっていたんですね。
前のパーソナルジムでのトレーニングを終えると、
・前ももがパンパンで、翌日の筋肉痛が激しい
・階段を下りるときに脚が震える
・歩くだけで膝が抜けそうになる
こんな感覚だったそうです。
前ももの張りで悩んでいる場合、本来は前ももへのストレスを取り除く必要があります。ただ以前は逆にストレスを与え、それが原因で前ももの張りがなくならないという悩みにつながっていました。
ホットヨガにも通い、きつめのレッスンを受けていた
さらに問題だったのが、
パーソナルジムに通った翌日に、ホットヨガできつめのレッスンを受けている
ということです。
ホットヨガをするから前ももの張りがひどくなるわけではありませんが、クライアントさんが受けているレッスンの内容が問題でした。
パワーヨガのクラスで、内容がほぼ筋トレ。さまざまなポージングをとっているそうですが、以下のようなポージングで1分間ほどキープするような内容が多々あったそうです。
こういったポージングをとると、どうしても前ももなどの筋肉に過度なストレスがかかります。
当時のクライアントさんは、前ももにストレスがかかった方が鍛えられると思い、過度にストレスをかけていたそうです。ただこういったストレスが、さらに前ももを張らせていました。
食べ過ぎて交感神経が優位な状態
続いて問題だったのは、
筋肉をつけるために過食しており、交感神経が優位な状態になっていた
ということです。
ご本人は気づかれていませんでしたが、初めて体験に来られたときから、
・口調が早く少しきつい
・どことなく焦っている感じがある
・過剰に力んでしまう
などが見られ、僕自身何が原因で自律神経のバランスが乱れているのかを探っていました。
そこでみつかったのが、食事量の多さ。平日はそこまで運動していないのに、食べる量が多いのが気になりました。
これは前のパーソナルジムで指導を受けていた影響で、
筋トレ頑張って食事量増やしたら筋肉がつきます。そしたら前ももの張りも改善しますよ。
と言われたことがきっかけで、食事量を増やしていたそうです。
食事量の多さが原因で、
・自律神経のバランスが乱れる
・血管やリンパ管が収縮してしまう
・循環が悪くなり、むくみやすくなる
・筋肉が硬くなりやすい
など「むくみ」や「筋肉の張り」がよりひどくなっている可能性があったんですね。
実際に食事量を減らすと、
・最近すごい身体が軽いし楽
・今まで硬かったのに、身体が柔らかくなった
・緊張もしやすかったけど、最新すごい落ち着いてる
・疲労感がすごかったけど、調子がいい
などと変化を実感されていました。
循環の悪さも問題でしたが、自律神経のバランスが乱れたことで、歩くペースにも影響を与えていました。
歩くのが早過ぎる
興奮状態のときほど、
無意識のうちに歩くペースが速くなりがち
です。
クライアントさんもかなり早歩きで、今までこれが普通と感じていたそうです。ただ食事量を減らすことで、歩くペースが落ちたんですね。
それと同時に歩き方をご指導したことによって、今までどれだけ前ももにストレスを与えるような歩き方になっていたのを理解されていました。食事と歩き方を改善した後、
・今まで脚にグッと力が入っていた
・地面に穴が開くんじゃないかというぐらい蹴っていた
・大股でグイグイ歩いていた
などと言われ、改善後の感覚としては、
・ゆったり心地よく歩けるようになった
・長く歩いても前ももに筋肉痛が出ない
・周りの景色を楽しむ余裕ができた
などと感覚の違いを実感されていました。
早歩きになり歩幅が大きくなると、歩き方がこんな感じになります。
こういう状態で歩ければ歩くほど、前ももの筋肉にストレスがかかり、前ももの張りの原因になってしまいます。
さらにクライアントさんの場合、着地をする際に若干踵が浮いた状態でした。
こういう着地も問題で、前ももに過度なストレスがかかってしまいます。
このように、歩くペースが早過ぎることも前ももの張りがひどくなる&なくならない原因の1つなんですね。
毎日身体を緩める&休める習慣がない
そしてもう1つ問題だったのは、
ハードに鍛えるけど、緩める&休む習慣がない
ということです。
クライアントさんの1週間を振り返ってみると、
・パーソナルジムでハードに前ももを鍛える
・ホットヨガでも下半身を鍛える
・歩くときには、常に脚の筋肉が緊張状態
・ストレスが多く、常に全身が力んでいる
・仕事でも長時間のデスクワークで筋肉が張る
といった具合で、緊張が緩むときがない毎日を過ごされていました。
これでは当然前ももだけに限らず、全身の筋肉がカチカチに張って硬くなります。よくご病気や不調にならなかったぐらいで、もし改善していなければ今頃健康状態がどうなっていたのかわかりません。
それぐらい毎日緊張の連続の毎日でした。改めて整理をすると、クライアントさんの前ももの張りがひどい&なくならなかったのは、
・筋トレのフォーム、重量が不適切
・前ももに負荷がかかる運動などをやりすぎ
・食べ過ぎて交感神経が優位な状態
・歩くのが早過ぎる
・毎日身体を緩める&休める習慣がない
こういった原因が考えられたからでした。
逆の言い方をすれば、
・追い込むような筋トレをやめる
・前ももに負荷をかけないように運動する
・食事量を適量に減らす
・歩くペースを落とし、歩き方を改善する
・毎日筋肉を緩める習慣をつける
これらなどが適切にできれば、悩まれているひどい前ももの張りを改善できるということが見えてきました。
続いては現場で実際にご指導した内容も含めつつ、同じ悩みを抱える方も改善できるようにさまざまな方法をご紹介していきます。
ひどい前ももの張りを改善する方法①:全身の筋肉を緩める
まず最初に行ってほしいのは、
全身の筋肉を緩める
ということです。
前ももの張りができる原因の1つに、全身の崩れが関係しているんですね。全身のバランスが崩れた結果、前ももへのストレスが増してしまう。その結果、ボコッと張り出てきます。
こういう場合は、まず全身を緩めて整えること。これだけで、十分前ももの張りが改善できるんですね。
全身の筋肉を緩める方法はYoutubeで紹介しているので、まずはこの方法で全身を緩めていきましょう。
実際に現場でも体操などをご指導し、まずは全身の筋肉を緩めていきました。
ひどい前ももの張りを改善する方法②:上半身の崩れを整える
続いて現場で時間を割いて行ったのは、
崩れた上半身を整える
ということです。
クライアントさんの場合、
・肩の高さに左右差がある
・左側の僧帽筋が盛り上がっている
・肩甲骨が寄り、背中が張っている
・体幹が少し右側に捻じれている
など、上半身の崩れが目立っていたんですね。こういうバランスの崩れは、脚の筋肉も硬くしてしまいます。
一見関係なさそうな上半身の崩れを整えておかないと、思ったように前ももの張りが改善できないこともあります。ですので、上半身の崩れがある方は、以下の方法でさらに整えていきましょう。
1、椅子に座って腕を小さく上下
1、椅子に座り、肩の前で腕を構える
2、肩をリラックスさせ、軽く腕を上下に動かす
3、これを1分間行う
2、椅子に座って腕を大きく上下
1、椅子に座り、肩の前で腕を構える
2、バレーのブロックをするように腕を上げる
3、肩をリラックスさせ、身体の前で腕を上下に動かす
4、これを1分間行う
3、椅子に座って脇を軽く開閉
1、椅子に座り、両肘を曲げる
2、肩をリラックスさせ、脇を軽く開閉する
3、これを1分間行う
4、椅子に座って真下に腕を落とす
1、椅子に座り、脚を肩幅に開く
2、肩から腕をぶら下げ、脚の間に落とす
3、軽く肘を曲げ、真下に腕を落とす
4、これを1分間行う
これで上半身が整い、結果的に前ももへのストレスが軽減されます。
実際に現場でクライアントさんにこういったことをご指導すると、
えっ?上半身動かしただけで、脚も緩むの?意味わからないけど、すごい前ももの張りがマシになったのがわかる。
と言われていました。
上記では座った方法をご紹介しましたが、これを立ったままやればより脚の緩みを実感できます。これらの方法で上半身が整えられると、次はさらに前ももの筋肉を緩めていきましょう。
ひどい前ももの張りを改善する方法③:前ももの筋肉を緩める
続いて行ってほしいのは、
前ももの筋肉をさらに緩める
ということです。
現場では僕がクライアントさんの前ももを緩めていきましたが、具体的に行ったのは以下の通りです。
1、膝を屈伸させる
1、仰向けになり、片側の膝裏を持つ
2、リラックスしたポジションで、膝の屈伸を繰り返す
3、これを左右各2分間行う
2、曲げた膝を内側から落とす
1、仰向けになり、片膝を立てる
2、軽く膝を内側に倒す
3、そこから脚を落とすように膝を伸ばす
4、これを1分間行う
3、太ももを左右に揺らす
1、仰向けになり、脚を肩幅に開く
2、クライアントさんの足の甲を持つ
3、太ももを左右に軽く揺らす
4、これを2分行う
これらの方法を行うことで、前ももの筋肉が緩んで張りが改善されました。
クライアントさんの場合は片脚ずつ行い、片脚が終わった後に前ももの張りを確認していただくと、
ほんまや、緩んだら張りがなくなって全然違う。えぇ~行ってたんわこういうことやねんね。
と言われていました。
同じ悩みを抱えている方は、ご自身で前ももを緩めていただくと同じように変化を実感できると思います。
前ももを緩める方法は以下の記事で紹介しているので、こちらの記事を参考に前ももを徹底的に緩めてみてください。
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ひどい前ももの張りを改善する方法④:ハードな筋トレをやめる
クライアントさんの場合以前は鍛えていましたが、ご指導してからは、
「鍛える」から「緩める」にメインを変更
しました。
上記でお伝えしたこともそうですが、スクワットなども軽く弾むようなエクササイズに変えて筋肉が緩むようにしたんですね。
こういった方法を実践することでも、
楽に弾んでるだけなのに、前ももが緩みますね。しゃがむのも楽になったし、全身がスッキリする感じ。
と言われていました。
実際に現場でご指導したのは、以下のようなエクササイズです。
1、板の上で小さく弾む
1、30度傾斜した板の上に立つ
2、足を腰幅ぐらいに開く
3、軽くお尻を後方に引く
4、前ももが緩んでいることを確認する
5、この状態で、楽に小さく弾む
6、これを1分間×3セット行う
2、板の上でしゃがみ込む
1、30度傾斜した板の上に立つ
2、足を腰幅ぐらいに開く
3、全身をリラックさせ、真下にしゃがみ込む
4、しゃがみ込んだら、楽に立ち上がる
5、これを10回×3セット行う
こういった2つのエクササイズが適切にできると、これだけでもかなり前ももの張りが改善されます。
ハードな筋トレをやめて、こういった心地よく動くエクササイズに変更。そうすると、毎回のセッションで前ももの張りが軽減することが実感できるようになったそうです。
ひどい前ももの張りを改善する方法⑤:根本原因を取り除く
その他にご指導したことは、以下の通りです。
食事量を適量に減らす
食事面については、
・たんぱく質の過剰な摂取はやめる
・糖質は半分程度に減らす
・過度にプロテインを飲まない
・間食もやめる
などをアドバイスしました。
意識的に食事量を増やしていたこともあり、ご自身のお腹が空くまで食べないようにしてもらったんですね。
そうすると自然と食事量が減り、今までどれだけ食べ過ぎていたのかを実感されていました。
もしご自身でダイエットをしたい方は、以下の記事を参考に食事量を調節してみてください。
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先ほどもお伝えしましたが、食事量をうまく調節できると、
・最近すごい身体が軽いし楽
・今まで硬かったのに、身体が柔らかくなった
・緊張もしやすかったけど、最新すごい落ち着いてる
・疲労感がすごかったけど、調子がいい
といった変化を実感できるようになります。
こういった食べ過ぎを改善することも、前ももの張りの改善には重要になるんですね。
ゆっくり心地よく歩く
姿勢や歩き方にも問題があったため、できるだけ楽に立ったり歩けるようにご指導していきました。
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こういった姿勢や歩き方を改善することで、根本的にひどい前ももの張りを改善できるようになります。
毎日前ももを緩める習慣をつける
そしてもう1つご指導したことは、
毎日少しでも良いので、前ももを緩める習慣をつける
ということです。
クライアントさんは仕事で常に座りっぱなしですので、自宅に帰った時には前ももがかなり張っている状態でした。
ですので、少しでもいいのでお風呂上りに毎日前ももを緩める習慣をつけていただきました。ご自宅で緩める方法は以下の動画がおすすめですので、よかったら実践してみてください。
ここまでお伝えした一連の内容を実践することで、ひどい&なくならないと悩んでいた前ももの張りが改善できたというわけです。
同じ悩みを抱える方は、ぜひできることから実践してほしいなと思います。
なくならないのはなぜ?前ももの張りがひどい原因と5つの改善方法のまとめ
今回は、なくならないのはなぜ?前ももの張りがひどい原因と5つの改善方法について解説しました。お伝えした内容をまとめると、
・ハードな筋トレをしたことで、前ももが張っていた
・食べ過ぎや早歩きも前ももが張る原因になっていた
・改善するためには、まずハードな筋トレをやめること
・鍛えるのではなく、全身の筋肉をとにかく緩める
・それだけで、十分前ももの張りは改善する
・楽な立ち方や歩き方の習得も必須
・毎日前ももを緩める習慣をつければ、より脚やせする
こういった内容をお伝えしました。
現場で常々思いますが、ご相談を受ける数ほど原因があり、個人の原因を取り除くことで根本的に悩みが改善できます。
今回のケースで言えば、ハードな筋トレが問題でした。ここを取り除き、緩める。それができたからこそ、前ももの張りは改善できました。
前ももの張りで悩む方は、おそらく何かしらの原因で前ももにストレスがかかっています。それを取り除き、前ももを緩めると必ず張りは改善して理想の美脚に近づけます。
今回の内容が、前ももの張りで悩む方の参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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