普段階段の上り下りをすると、脚がパンパンに張ったり息があがったりしませんか?膝に痛みが出ることもありますよね。
実はこれって、ただ体力(スタミナ)がないということではありません。階段の上り下りの動作の問題で、こういう症状が出ています。
“ちょっとしたこと”の違いで身体が楽になり、今回お伝えしていることを実践すれば、今抱える身体の悩みも改善していくはずです。
この記事では、
・階段の上り下りで得られる効果
・階段をスムーズに上り下りする2つのポイント
・階段を上り下りするときの注意点
などをパーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
階段の上り下りで得られる効果
今回お伝えする階段の上り下りの動作に改善すると、以下のような効果が期待できます。
効果①:脚やせ
日頃階段の上り下りをすると特に、
・前もも
・ふくらはぎ
などが張ってきませんか?こういう方は、動作の問題で過度に筋肉がストレスを受けているんですね。
こういう方の場合、階段の上り下りの動作を改善することで、
・前ももがスッキリする
・ふくらはぎが細くなる
・ヒップがきゅっと上がる
など、脚やせ効果が期待できます。
特に階段を下りる動作の改善は、脚やせしたい方には必須ですね。
効果②:膝痛などの改善
階段の上り下りのときに、ズキッ!っと感じる、
・膝周りの痛み
・おしりの痛み
・足首の痛み
などで悩まれている方もいませんか?
階段の上り下りで発生する痛みは、主に“動作のまずさ(不自然さ)”によって発生することが多いんですね。
以下でお伝えする動作に改善すれば、こういった痛みの改善も実感できます。
効果③:消費エネルギーを増やせる(ダイエット)
今回お伝えする階段の上り下りができると、いつもより楽に階段を上れるようになります。
階段って、しんどいイメージがありませんか?しんどいから避けてエスカレーターに乗ってしまう。
こういう方は、階段の上り下りが楽に感じると普段から使いやすくなり、そうすると、
・日常で運動量が増える
・消費エネルギーを増やせる
・筋肉も引き締まる
・ダイエットが成功しやすくなる
といったプラスの効果がかなり期待できます。
毎日の習慣って恐ろしいぐらい重要で、本当に身体を変えてくれますからね。
では、こういった効果を実感するためには、具体的にどのように階段の上り下りをすればいいのでしょうか?
階段の上り動作をスムーズに行う2つのポイント
まず階段の上り方から解説しますが、階段を上るときの最大のポイントは、
重心(頭)を斜め上方向に持ち上げること
にあります。ここが掴めると、階段の上り動作が非常に楽になるんですね。
実際、階段を上るときの手順は以下の2つのみです。
1、足裏全体を階段に乗せる
2、頭を斜め上に引き上げるイメージで階段を上る
それぞれ解説します。
①足裏全体を階段に乗せる
階段を上るとき、まず足裏全体を階段に乗せます。
後程詳しく解説しますが、多くの方が「つま先」だけが階段に乗ってしまうので、「足裏全体」を改善に乗せましょう!
②頭を斜め上に引き上げるイメージで階段を上る
そこから、頭を斜め上方に引き上げるイメージで階段を上っていきます。
頭を引き上げる方向は、階段の一番上の段に向かっていくイメージですね。
感覚としては、頭をグッ!グッ!っと持ち上げるというよりも、頭を軽くスッ、スッと誘導していくイメージを持つだけでOKです。そうすると、脚は非常に楽になるはずです。
階段は、
足で踏ん張るように上るのではなく、頭をスッ、スッと斜め上方へ引き上げるように上る
という感覚を習得できると、それが脚にかかるストレスを軽減し、脚やせや膝などの痛み改善につながります。
特に、前ももの張りは上記のことを変えれば改善がみられるはずですね。
もし、前ももの張りで悩む方は「【完全版】太ももの前側が太い&張り出す原因と細くする3つの方法」も参考にしてみてください。
軽くお尻を締めればヒップアップする
もしヒップアップしたい方は、階段を上るときに「軽くお尻を締める」ようにすればヒップアップしてきます。
階段を上るときにお尻を刺激する動作は、片脚スクワットを行っているのと同じです。
非常に大きな刺激をヒップに加えることができるので、特に30・40代の方はこれだけでお尻周りのたるみは引き締まります。
実際に階段を上るときは、シンプルに、
足裏全体に体重を乗せて、頭をスッ、スッ…
ぐらいの感覚で上がると、脚やせしてスタイルが良くなっていきますからね。
本気でおしり周りの悩みを改善したい方は、ツイストボードがかなり効果的です。よかったらこちらの記事も参考にしてみてください。
・ツイストボードの効果的な9つの使い方|脚やせ&ヒップアップできる
足で踏ん張る意識は捨てる
階段の上り方で一番変える必要があるのは、「足で踏ん張るように階段を上らない」ということです。
これは重心との関係があり、「トレーナーが現場で指導する「正しい歩き方」の4つの習得方法」の中でも少し触れました。
脚で踏ん張るように階段を上がろうとすると、
・重心が下がって脚へのストレスが大きくなる
・前ももの筋肉への負担が増し、前ももが張ってくる
・膝のお皿周辺のストレスも増え、膝周辺の痛みにつながる
などの悩みにもつながる可能性があるので、基本的に重心を高く保つ必要があるんですね。
ここで言う“重心”は、身体を動かすポイントと理解するとわかりやすいと思います!
例えばこの花ビンを倒そうと思うと、どこを押せば一番倒れやすいと思いますか?
これはわかりやすく、この位置あたりですよね。
ここを押せば、“小さな力(エネルギー)でビンを倒す(動かす)”ことができます。
逆にここを押すと、倒しにくいし大きな力がいりますよね。
この関係は、位置エネルギーと運動エネルギーの関係です。
・位置エネルギー(押す位置)が大きく(高く)なる=運動エネルギー(動かす力)が小さくなる
・位置エネルギー(押す位置)が小さく(低く)なる=運動エネルギー(動かす力)が大きくなる
これって人間の身体でも同じことが言えて、
・頭を斜め上方に引き上げる
=位置エネルギーは大きく、運動エネルギーは小さくなり、階段を上るのが楽になる
・足元で踏ん張る
=位置エネルギーは小さく、運動エネルギーが大きくなり、階段を上るのがしんどくなる
となるので、階段を上る際の身体の使い方で楽さが変わるというわけです。
ですので、身体の悩みを根本改善したい方は足で踏ん張る意識は捨て、頭などを引き上げるイメージで階段を上ることが重要なんですね。
つま先で階段を上らない
もう1つ階段を上るときに気をつけたいことは、つま先で階段を上ってしまうことです。
つま先で階段を上ると、脚の筋肉をメインにして階段を上ってしまうため、
・前ももがパンパンに張る
・ふくらはぎがカチカチに硬く太くなる
・膝や足首周辺の痛みにつながる
こういった脚の悩みの原因につながります。
足裏全体を階段に乗せて上ることで、
・脚全体の筋肉
・お尻
・体幹周辺
など全身の筋肉が均等に働くので、非常に楽に階段を上がれます。ですので、必ず足裏全体で階段を上るようにしてくださいね。
もしふくらはぎの硬さや張りで悩む方は、以下の記事を読んでいただくと悩みが改善できるので、よかったら参考にどうぞ。
・ふくらはぎが硬い原因と柔らかくする4つの方法
・【完全版】ふくらはぎの外側が張り出す&太い原因と細くする6つの方法
・【徹底解説】ふくらはぎの内側が太い原因と細くする3つの方法
階段の下り動作をスムーズに行う2つのポイント
続いては、階段の下り方です。下りる時のポイントは、
ブレーキ動作をなくし、スッと膝カックンするような感覚で下りる
ということが重要になります。手順は以下の通り。
1、前脚を垂らす
2、後脚の膝を抜く
それぞれ解説しますね。
①前脚を階段から垂らす
まず最初は、階段から脚をぶらんと垂らします。
多くの方はこの段階で軸脚が曲がるので、まずは前脚を垂らすだけでOKです!
②後脚を膝カックンするように抜く
そしてここが最も重要で、軸脚になっている後脚の膝を「膝カックン」するように抜き(曲げ)ます。
そして、着地は足裏全体で行います。
こういった「膝を抜く」「足裏全体で着地する」ように階段を下りる動作ができると、
・前ももにストレスがかからない
・着地する刺激で、脚やせ・ヒップアップする
・ふくらはぎが張らず、細くなる
などのプラスの影響が出ます。
ですので、階段を下りる動作のイメージとすれば、
脚を前に垂らして、軸脚の膝カックンを繰り返す
という感じですね。
そうすると楽に階段を下りれますし、膝への負担も軽減されるので膝痛も改善できます。
後脚でブレーキをかけない
先ほど「膝カックンするように階段を下りる」と解説しましたが、何も意識せずに階段を下りると、後方の脚でブレーキをかけるんですね。
これは着地の怖さも関係しており、ほとんどの方はそうっと着地してしまいます。実はこの動作が脚を太くしたり、痛みの原因になります。
そうっと階段を下りるとき、前ももの筋肉が伸ばされながらストレスを受けます。スクワットがわかりやすく、ゆっくりしゃがんでいくと前ももなどに過度なストレスがかかりますよね。
こういうブレーキ動作をエキセントリックといいますが、このエキセントリックな刺激は太ももの前側に強いストレスを与えます。
しかも、このエキセントリックな動作を繰り返し行うと、
速筋に刺激が加わり、負荷の大小に関わらず筋肉が太くなる可能性
があるんですね。
ですので、何気なくブレーキをかけつつ階段を下りていると、前ももが張り出して太くなることは十分考えられます。
脚やせする上では、こういった無駄にかかるストレスを取り除くことも重要です。
階段を下りるときはブレーキをかけて前ももを刺激しないように、
真下に落ちる・抜くような感覚
で階段を下りれば脚やせできます。
階段を下りる際に膝が痛くなる方もこのブレーキ動作が問題の根源なので、ここが改善できると痛みなく階段を下りれるようになりますよ!
つま先から着地しない
また、階段を下りるときの着地では下の段を探りながら着地するため、つま先着地になる方がほとんど。
階段を下りるときにつま先から着地すると、先ほどお伝えしたエキセントリックな刺激がふくらはぎに加わります。
ふくらはぎは本来太くなりづらい性質をしていますが、毎日階段の下りる際につま先着地を繰り返していると、ふくらはぎは太くなってきます。
足裏全体で着地をすればストレスは分散されるので、もし今つま先着地になっている方は足裏全体で着地をすればふくらはぎは細くなるはずです。
階段を使った後、ふくらはぎが張った感覚ってありませんか?こういう方は、必ずつま先着地になっています!
足裏全体で着地をすれば、
・ふくらはぎが細くなる
・ふくらはぎの張りが改善して柔らかくなる
・足首のむくみも軽減して細くなる
という変化が出るので、すぐにでもつま先着地を避けてほしいですね。そうすると、1週間ぐらいで脚やせを実感できるはずですよ。
もしふくらはぎや足首の太さで悩む方は、以下の記事で細くできるので、こちらも参考にご覧ください。
・【実例】太いふくらはぎの筋肉を落とす方法【ポイントは1つ】
・【完全版】足首が太い原因と細くする6つの方法
階段の上り下りそれぞれに注意点がありますが、上記でお伝えしたような身体の使い方ができれば身体の悩みは改善できますからね。
階段の上り下りをスムーズに行う方法のまとめ
今回は、以下のような内容をお伝えしました。
・階段を上るとき、脚で踏ん張らない
・頭を斜め上方に引き上げるイメージで上がる
・このとき、足裏全体を階段に乗せる
・階段を下りるとき、まず前脚を垂らす
・軸脚の膝を膝カックンするイメージで降りる
・この階段の上り下りができると、脚やせ・膝痛改善ができる
毎日無意識で行いがちな動作だからこそ、身体への影響は大きくなります。今日からこの動作を変えることで、身体も悩みも改善しますからね。
“ちょっとの積み重ね”は身体を大きく変えますし、その“ちょっと”がいろんなことを変えていきます。おそらく、人生にも同じことが言えるんじゃないですかね。
現場で見てても、自分を変えていく方はこの“ちょっと”を徹底しています。今日からどのような毎日、どのような“ちょっと”を積み重ねていきますか?
今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ちなみに、日常生活で行う姿勢や動作を見直していくと身体はさらに変わるので、以下の記事もよかったら参考にしてみてください。
・正しい座り方は疲れる⁈正しい座り方を習得する4ステップ
・正しい立ち方とは?立ち姿勢を習得する4つの方法
・トレーナーが現場で指導する「正しい歩き方」の4つの習得方法
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