現場でたまに、
ランニングをすると、太ももとかふくらはぎが太くなったように感じます。どうしたら脚やせできますか？
という相談を受けますが、この悩みの改善方法は、
走り方を変えること
にあります。
こういった悩みを抱える方の走り方をチャックすると、大体は脚が太くなるような走り方をしています。逆に脚が細くなるような走り方に改善できれば、悩みは改善できるはず。
今回は、以前ご指導した４０代女性を例に改善方法をご紹介しますね。
この記事では、
・ランニングで太もも・ふくらはぎが太くなる原因
・ランニングで太もも・ふくらはぎを細くする４つの方法
などを、パーソナルトレーナー歴１２年の伊藤出（@izuru_style）が解説します。
今回の記事の内容
ランニングで太もも・ふくらはぎが太くなる原因
以前ご相談を受けた４０代女性の方のカウンセリングを行っていると、以下のような原因で太もも・ふくらはぎが太くなっている可能性がありました。
・踵が浮いている
・膝が曲がった状態で走っている
・つま先で地面を蹴る意識を持っている
・シューズが変形している
・走るテンポが早い
それぞれ解説します。
踵が浮いている
まず問題になっていたのが、
踵が浮いた状態で走っている
ということです。
ランニングで脚の形を整えたり細くする場合、ある程度ランニングのペースを落とし、足裏全体で着地をすることが重要なんですね。
丁度踝真下辺りで着地をすれば、着地の際に受ける地面からの衝撃が脚全体に分散されます。
この感覚で走っていれば、脚の筋肉が引き締まり細くなります。
実際の走っているイメージだと、こういう着地。
ただクライアントさんの場合、常に踵が浮いた状態で走っていたんですね。
こういう状態で走ると、ふくらはぎ周辺の筋肉が過度なストレスを受けます。実際につま先立ち状態でその場でジャンプを繰り返すと、かなりふくらはぎが張ってきます。
さらに、以下のようなことでふくらはぎの筋肉が太くなっている可能性がありました。
・つま先着地を繰り返す
・ふくらはぎの筋肉が刺激を受け続ける
・筋内が低酸素状態になる
・ふくらはぎの速筋に刺激が加わる
・その結果、筋肉そのものが太くなる
クライアントさんのふくらはぎは、内側にボコッと張り出すような形をされて筋肉が太くなっていました。
これは、踵が浮いた状態で走っていることが原因なんですね。
膝が曲がった状態で走っている
続いて問題だったのは、
膝が曲がった状態で走っている
ということです。
例えばランニングをするとき、頭や胸辺りを前に運ぶイメージで走るとします。
そうすると重心が高くなるため、脚にかかるストレスは軽減されます。
ただクライアントさんの場合は重心の位置が低く、膝が曲がった状態で走っていました。
こういった状態で走ってしまうと、地面を突くような着地になってしまい、
・前もも
・ふくらはぎ
この２ヶ所への過度なストレスがかかってしまうんですね。
クライアントさんはふくらはぎだけではなく、前ももの筋肉もボコッと盛り上がるぐらい筋肉が張っていました。
重心が低く、膝が曲がった状態で走ってしまうことも太ももやふくらはぎが太くなる可能性があります。
つま先で地面を蹴る意識を持っている
続いて問題だったのは、
つま先で地面を蹴る意識を持って走っている
ということです。
今回のテーマと同じ悩みを抱えている方は、つま先で地面を蹴ってランニングをしていませんか？
感覚的には、つま先でグッと地面を押す・蹴った方が前に進みそうですよね。
ただ実際はそうでもありませんし、脚やせには逆効果。つま先で地面を蹴ろうとすると、過度に足首を使うことになります。
クライアントさんは、
地面を蹴ろうとするとふくらはぎがめっちゃ疲れます。でも効いていると思って無理して続けてました。
と言われていました。
この結果が正しくて、つま先で地面を蹴ってしまうとふくらはぎがストレスを受けます。だからふくらはぎが横側にボコッと張り出してしまうんですね。
こういう足首の使い方も、ふくらはぎが太くなってしまう原因に考えられました。
シューズが変形している
続いて問題だったのは、
母趾球辺りのインソールに穴があき、シューズが変形している
ということです。
シューズの変形は、ご自身の身体の使い方の癖が出ます。クライアントさんのシューズをチェックすると、
・内側に傾いた形になっている
・母趾球辺りが凹むような形状になっている
・インソールの母趾球辺りに穴が開いている
という状態でした。みなさんも一度チェックしてみると、意外とシューズの崩れを発見できると思います。
こういう形が崩れたシューズを履いていると、その崩れた状態に足元も崩れます。その結果、
・着地が不安定になる
・脚の動きが不自然になる
などの影響で、脚の特定の部位のストレスが大きくなる可能性があります。
こういったシューズの変形も、太ももやふくらはぎが太くなる原因として考えられました。
走るテンポが早い
そしてもう１つ問題だったのは、
走るテンポが早い
ということです。
ご相談を受けたクライアントさんは、ご自身の性格を「せっかち」と表現されていましたが、ランニングスピードがかなり早めでした。
見た目としては、重心が低い状態でちょこちょこ早く走るような感じで、
・脚にストレスがかかりやすい走り方になっている
・走るテンポが早く、動きが硬い
という状態でした。
こういう状態で走ってしまうと、ランニング後には全身がガチガチになります。実際にクライアントさんもランニング後は、
肩こりもひどくなる感じもありますし、ランニング後はかなり疲れて全身パンパンですよ。/speech_balloon_left1]
と言われていました。
目的に合った走り方とリズムで走れると、ランニング後は全身の筋肉が緩み、スッキリ感が出てくるはずです。
ここまでお伝えしたように、ランニングで太もも・ふくらはぎが太くなる原因は、
・踵が浮いている
・膝が曲がった状態で走っている
・つま先で地面を蹴る意識を持っている
・シューズが変形している
・走るテンポが早い
などが考えられました。
逆の言い方をすれば、
・フラット着地を身につける
・重心の位置を上げてスムーズな走り方で走る
・シューズを変える
・走るテンポを落とす
などができると、ランニングでも十分脚やせできるということが見えてきました。
続いては実際に現場でご指導したことも含めて、ランニングで太もも・ふくらはぎを細くする方法をご紹介します。
ランニングで太もも・ふくらはぎを細くする方法①：全身を整える
まず最初にしてほしいのは、
全身の筋肉を緩めて整える
ということです。
身体のどこかに歪み・捻じれがあれば、その影響が必ず下半身に出てきます。ですので、まずは走る前に全身を整えておきましょう。
この方法は以下の動画の内容でOKですので、まずはこれを実践してみてください。
ランニングで太もも・ふくらはぎを細くする方法②：フラット着地をインプットする
続いて行ってほしいのが、
フラット着地、足裏全体での着地をインプットする
ということです。
先ほどもお伝えした通り、ランニング中には踝真下で着地をします。
そうすると脚全体に衝撃が分散され、脚全体が引き締まるんですね。
まずはこの感覚をインプットするために、以下のエクササイズを行っていきましょう。
１、その場で小さく弾む
１、脚を肩幅に開く
２、つま先も軽く開く
３、体重を踝真下に乗せる
４、踝真下に意識を向けて小さく弾む
５、これを１分間行う
[video width="1920" height="1080" mp4="https://izuru-personal.com/wp-content/uploads/2023/08/B-ラン.mp4"][/video]
２、その場で小さくジャンプ
１、脚を肩幅に開く
２、つま先も軽く開く
３、体重を踝真下に乗せる
４、その場で小さくジャンプして踝真下で着地
５、これを１分間行う
[video width="1920" height="1080" mp4="https://izuru-personal.com/wp-content/uploads/2023/08/B-ラン1.mp4"][/video]
３、その場で小さく交互ジャンプ
１、脚を肩幅に開く
２、つま先も軽く開く
３、体重を踝真下に乗せる
４、その場でジョギングして踝真下で着地
５、これを１分間行う
[video width="1920" height="1080" mp4="https://izuru-personal.com/wp-content/uploads/2023/08/B-ラン2.mp4"][/video]
４、小さく交互ジャンプで前進
１、脚を肩幅に開く
２、つま先も軽く開く
３、体重を踝真下に乗せる
４、その場でジョギングして踝真下で着地
５、少し前進しながら１分間行う
[video width="1920" height="1080" mp4="https://izuru-personal.com/wp-content/uploads/2023/08/B-ラン4.mp4"][/video]
ここまでお伝えしたような手順で、実際にクライアントさんにも実践していただきました。
上記では「各１分間」とお伝えしましたが、本来は、
確実にフラット着地ができるまで続ける
ことが重要です。
そうすると、この後にお伝えするランニング時にもフラット着地ができるため、つま先着地が癖づいている方は時間をかけて行いましょう。
ランニングで太もも・ふくらはぎを細くする方法③：走り方を改善する
フラット着地がインプットできると、続いては、
走り方そのものを改善
していきましょう。
本来であれば個人によって走り方の指導は変わってきますが、実際にクライアントさんにご指導したことは以下の通りです。
１、重心を高くしてその場で小さくジャンプ
１、脚を肩幅に開く
２、つま先も軽く開く
３、体重を踝真下に乗せる
４、重心を頭や胸辺りに設定する
５、その場で小さくジャンプして踝真下で着地
６、これを１分間行う
[video width="1920" height="1080" mp4="https://izuru-personal.com/wp-content/uploads/2023/08/B-ラン1.mp4"][/video]
[speech_balloon_left2 user_image_url="https://izuru-personal.com/wp-content/uploads/2023/04/吹き出し.jpg" user_name=""]ここでは頭を上方向にスッ、スッと持ち上げるイメージで弾めばOKです。[/speech_balloon_left2]
２、重心を前に運ぶように前進する
１、重心の位置を高く設定する
２、その場で小さくジャンプして踝真下で着地
３、重心を前に運ぶように前進して走り出す
[video width="1920" height="1080" mp4="https://izuru-personal.com/wp-content/uploads/2023/08/B-ラン3.mp4"][/video]
３、胸の前で落とすように腕振り
１、重心の位置を高く設定する
２、その場で小さくジャンプして踝真下で着地
３、重心を前に運ぶように前進して走り出す
４、軽く肘を曲げ、胸の真ん中から腕を落とすように腕振り
[video width="1920" height="1080" mp4="https://izuru-personal.com/wp-content/uploads/2023/08/B-ラン5.mp4"][/video]
この流れでランニングに移っていきました。
そうするとクライアントさんは、
[speech_balloon_left1 user_image_url="https://izuru-personal.com/wp-content/themes/drop_tcd087/img/common/no_avatar.png" user_name="お客様"]勝手に進んでいく感覚がありますし、全然脚も疲れないです。息も全然上がらなくなりますね。
と言われていました。
あとは心地良く感じるペースで走っていただきましたが、この流れで十分脚やせは可能です。頻度は週２～３回で十分ですね。
ランニングで太もも・ふくらはぎを細くする方法④：シューズを新品に変える
そしてもう１つクライアントさんにご指導したことは、
シューズを新品に変える
ということです。
上記でもお伝えしましたが、シューズに変形があれば着地などが乱れて脚が太くなる可能性があります。ですので、必ずシューズは変形のない状態でランニングをすることが重要なんですね。
ランニングシューズに関しては、
・ミズノ
・アシックス
の２社が日本人の足に合っているので、この２社のランニングシューズを選んでもらえると間違いないと思います。
こういったシューズも新品にして、着地・走り方を改善すれば、今とは全然違う脚の状態になっていきます。実際にクライアントさんは、
ランニングをすると体が軽くなるし、脚の筋肉が柔らかくなります。今までは疲れてばっかりでしたけど、今は全然違います。
と言われていました。
走り方を改善すると、本当に前ももなども柔らかくなり、かなり脚の状態は変わります。ですので、脚やせしたい方は上記を参考に実践していただければと思います。
ランニングで太もも・ふくらはぎが太くなる原因と４つの脚やせ方法のまとめ
今回は、ランニングで太もも・ふくらはぎが太くなる原因と４つの脚やせ方法について解説しました。今回の内容を改めてまとめると、
・ランニングで脚が太くなるのは、主に走り方のまずさ
・踵が浮いている、つま先で地面を蹴っているなど
・まず改善するべきことは、フラットに着地すること
・その中で重心を高くし、その重心を前に運ぶように走る
・整える→走り方の改善→シューズを新品にする
・この一連の流れができると、ランニングで脚やせが可能
こういった内容をお伝えしました。
僕も毎朝海沿いで体操などをしていますが、老若男女問わずみなさんランニングされていますよね。こういう努力は素晴らしいですし、見ていても気持ちがいいです。
ただ脚の太さが気になる方は、ちょっと走り方の違いが下半身太りの原因になります。そこを見直し、走り方を改善する。そうすれば、みなさんが目指す理想の美脚に近づけます。
ぜひ上記の内容を参考に、変化を実感してもらえればと思います。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました！
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