ダイエットをしている方なら、だらだら散歩をするよりも腕や脚を大きく動かすようなウォーキングの方が効果的かもしれません。
ただ「だらだら散歩」はダイエット効果が全然ないということでもないですし、実はもっと別の効果が期待できる方法なんですね。
体が硬い方は柔らかくなるでしょうし、精神的に不安定でイライラする方は落ち着きを取り戻せたりもします。中には、むくみが改善して身体がスッキリする方もいると思います。
この記事では、
・だらだら散歩の効果
・だらだら散歩の実践方法
・だらだら散歩の実践時間やタイミング
などを、パーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
意外に効果的!「だらだら散歩」の効果
僕自身が毎日1時間程度「だらだら散歩」を実践して効果を実感している身ですが、以下のような効果が期待できるんですね。
硬い体や筋肉が柔らかくなる
まず最初に期待できる効果としては、
硬い体や筋肉が柔らかくなる
ということがあります。
だらだら散歩の大きな特徴は、リラックスした状態で歩けることなんですね。普段時間に追われていたり、ダイエットのためと思って歩くとどこか力んでしまう。
そういう状態で長時間歩くと筋肉がパンパンに張ることもありますが、だらだら散歩は歩けば歩くほど全身の筋肉が緩んできます。]
僕が「だらだら散歩」をするのは、仕事の合間なんですね。筋肉が硬くなると集中力も途切れやすくなるので、リフレッシュのために活用しています。
硬い筋肉が柔らかくなることで血流が良くなり、
・体の重だるさが軽減する
・動かしづらい動作もスムーズになる
・頭もスッキリする
など、仕事の効率も上がって非常に働きやすくなります。
ですので、仕事前後にだらだら散歩をするのもおすすめですね。
もし仕事終わりは疲れて動けないという方は、こちらの記事で紹介している方法を実践すると身体はかなりスッキリしますよ。
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不安定な精神面が安定する
続いて期待できる効果は、
イライラしやすくかったり、不安感が軽減する
ということです。
さまざまな研究で、有酸素運動をすると身心の興奮を抑える成分が体内で分泌されることがわかっています。
・ランニング
・バイク
・エアロビクス
など、少し強度の高い有酸素運動の方がその変化を実感しやすいですが、実際に試したところだらだら散歩でも精神的な落ち着きを実感できました。
なぜこういった精神面が落ち着くのかというと、ぶらぶら散歩をすることで、
・体内で「ANP」や「GAVA」が分泌される
・これらの物質は、体内の興奮を抑える作用がある
これらによって精神面の変化が現れるんですね。
特に「鬱」や「パニック障害」の症状で悩んでいる方は、だらだら散歩をするだけでも1週間以内に気分の違いを実感できる方は多いと思います。
実際にクライアントさんに現場で実践してもらっても、明らかに精神的な不調の改善に役立っていました。
ですので、今精神的な悩みを抱えている方は「だらだら散歩」をするだけで症状を改善することができるはずです。
乱れた自律神経のバランスが整う
これも先ほどお伝えした精神面との関係がありますが、
だらだら散歩を一定のリズムで行うと、自律神経を整えることも可能
です。
人は一定のリズムを感じると、快の刺激となってセロトニンの分泌量が増えます。このセロトニンは副交感神経を刺激し、身心共にリラックスさせてくれるんですね。
僕は休みの日もだらだら散歩することがありますが、約20~30分程度歩いた後に自宅に戻ると、興奮状態がかなり落ち着きます。
この自律神経を整えることができると、多くの方は今よりも確実に健康体に近づきますし、痩せやすい体にもなります。
自律神経が乱れるとどのような影響があるのか、具体的なことは以下の記事で紹介してるのでよかったら参考にご覧ください。
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基礎代謝が上がって痩せやすくなる
「だらだら散歩はダイエットに効果的ではない」と言われることもありますが、だらだら散歩の消費エネルギー自体は小さいものです。
ここだけ見ればあまりダイエット向きなエクササイズではありませんが、もっと別の角度から見ると非常に重要な運動になるんですね。
例えば、先ほどお伝えした自律神経との関係。自律神経が乱れると、
・血流が悪くなる
・体温が下がる
・35度台になってしまう
・基礎代謝が約13%も下がる
このような変化が出ると言われています。
基礎代謝が約13%下がるということは、2ヶ月間で何もしなくても1kg太るぐらい基礎代謝が下がってしまうわけです。
もし今体温が35度台の方の場合、だらだら散歩を毎日の習慣にしていただくと、
・自律神経が整う
・下がっている体温が上がる
・基礎代謝がもとに戻る
・以前よりも痩せやすくなる
・しかも消費エネルギーも加算される
このようなことからダイエットのプラスになると考えられるんですね。
だらだら散歩自体で消費できるエネルギー量は少ないかもしれませんが、体内環境がより良くなることで痩せやすい体に近づける運動とも言えます。
ちなみに、ぶらぶら散歩のときに腕などを揺らす習慣をつけるとより痩せやすくなります。ここについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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姿勢が良くなる
もう1つ期待できる効果としては、
崩れた姿勢が良くなる
ということです。
これはただだらだら散歩すればいいのではなく、歩き方も重要です。後ほど歩き方については解説しますが、全身をリラックスした中でだらだら散歩すれば全身の筋肉が緩みます。
・肩
・胸
・背中
・骨盤周辺
・おしり
・太もも
・ふくらはぎ
など、全身の筋肉が緩むことで本来の自然な姿勢に改善されます。
これは実際にクライアントさんからも実感してもらっており、自然に歩くことができると、
楽に歩けば自然に軸ができたというか、安定して立つようになりますね。勝手に踝真下に体重が乗ります。
と言われていました。
このように、だらだら散歩をすることで姿勢改善にもつながるわけです。
ここまでお伝えしたように、だらだら散歩にはさまざまな効果が期待できるんですね。では具体的に、どのようにだらだら散歩をすれば上記でお伝えしたような効果を実感することができるのでしょうか?
だらだら散歩の具体的な5つの実践方法
だらだら散歩をする場合、適当に歩くだけでは上記でお伝えした効果を実感できるわけではありません。
以下のようなリラックスした状態で歩くことで、全身の筋肉が緩み、精神的に安定していきます。
1、頭に重心を持っていく
まず最初にしてほしいことは、
重心の位置を頭などの高い位置に設定する
ということです。
おそらく多くの方は、何気なく歩いてしまうと重心の位置がへそや足元にある状態になるはずです。
これだと身体にかかるストレスが大きくなるため、適切に筋肉を緩めることができません。
頭辺りに重心を上げて、気持ち身体を縦に引き伸ばす“イメージで”その場に立ちます。
2、頭を前に運ぶイメージで進む
重心の位置を高く設定できると、次は頭を前にスーッと運ぶイメージで歩きだします。
ここが重要で、頭を前に運ぶイメージでだらだら散歩をすることで上記でお伝えした効果を実感しやすくなるんですね。
脚を前に出すイメージで歩くと脚の筋肉が張ってくるので、必ず頭を前に運ぶイメージで歩くようにしましょう。
3、腕は肩からぶら下げる
頭を前に運ぶイメージで歩き出すと、腕がグッと力んだ状態になる方がいると思います。
これだと上半身の筋肉が硬くなってしまい、不快感が出てきます。ぶらぶら散歩のときは、肩から腕をぶら下げた状態で歩きます。
そうすると自然に斜め方向にスイングされ、肩や胸などの筋肉が緩んできます。実際にこの方向に腕が動くと、かなり腕がスムーズに動くことがわかると思います。
腕の方向が分かれば、あとは肩から腕をぶら下げて歩くようにすればOKですね。
4、脚もみぞおちからぶら下がっているイメージ
基本的に歩くときは、
頭を前にスーッと運ぶ
このイメージだけで十分です。ただ歩き方の理解としては、みぞおちあたりから脚がぶら下がっているようなイメージを持っておきましょう。
そうすると、
・お腹
・前もも
・ふくらはぎ
などの筋肉がより緩みやすくなり、脚のだるさが軽減したり細くなったりします。
こういうイメージを持つことで、「むくみ」の改善にも役立ちます。
ここまでお伝えしたような歩き方が実践できると、
・全身の筋肉が緩む
・姿勢改善
・むくみ改善
・体のだるさが軽減
・精神的な落ち着き
など、非常に多くの効果を実感できます。
5、気持ちいいペースで歩く
あともう1つ注意してほしいのは、だらだら散歩と言っているぐらいなので、
気持ちよく感じるペースで歩くこと
です。
これは人によって変わりますが、全身がリラックスした中で歩きやすいペースがあるんですね。僕自身も、かなりゆっくりのペースでだらだら散歩をしています。
心地良いペースで歩くことで全身が緩み、疲れ切っている精神面を回復してくれるとも言えます。ですので、つい早歩きにならないように注意しましょう。
意識的に歩くペースを落とすことで、自律神経が整ったり精神的な癒しにつながりますよ。
では、こういっただらだら散歩はどのくらいの時間実践すればいいのでしょうか?
だらだら散歩の実践時間やタイミング
だらだら散歩の実践時間やタイミングは目的によって変わってくるので、以下を参考に実践していただければと思います。
身体をスッキリさせたい
全身がガチガチに張って硬い、疲れが溜まっている方に関しては、
朝と夜、できれば15~20分程度だらだら散歩を行う
のがおすすめです。
時間的に難しそうな方は、仕事終わりのタイミングでやると疲れは翌日に持ち越しづらくなります。どうしても夜に時間がとれないかたは、1日のどこかのタイミングでやってもらえれば問題ありません。
とにかくだらだら散歩をして身体を動かす。それが身体のだるさや硬さの改善に重要なんですね。ですので、身体をスッキリさせたい方はこういった時間やタイミングを目安に行うことがおすすめです。
精神的に安定したい
精神的なお悩みを抱えている方は、
日光を浴びながら、30~60分ぐらい行う
のがおすすめです。
これは僕自身が実際に試して変化を実感できましたが、30分以上日光を浴びながらだらだら散歩をしていると、
・イライラが軽減する
・翌日の不安感が和らぐ
・前向きな気持ちが持続しやすい
などの変化を実感しやすくなるんですね。
もちろん個人によって変わりますが、1つの基準としては「日光を浴びながら30分以上」が効果を実感できるラインになってくると思います。
もし夜しか時間がない方の場合は、夜にだらだら散歩してもらってもOKです。日中の方が効果的ですが、夜でも精神的な変化を実感できますよ。
痩せたい(ダイエット)
ダイエット目的の方の場合は、
特にタイミングにはこだわらず、できるだけ長い時間行う
ことがおすすめです。
時間が長くなればその分消費エネルギーが増えますし、気持ちよくだらだら散歩ができていると自律神経も整って体温が上がってきます。
さらに筋肉が緩むことで委縮していた筋肉が膨らみ、基礎代謝も上がる。その結果痩せやすくなるので、タイミングは自由だけど時間をできるだけ伸ばすことが効果的です。
ただ筋トレを行っている方は、少しだけだらだら散歩のタイミングを考慮した方がいいかもしれません。
筋トレをしている方の場合は、筋トレが終わって2~3時間後にだらだら散歩をするのがおすすめなんですね。
それは脂肪をエネルギーとして消費しやくなるため、筋トレ直後よりも少し時間を空けてから行った方が脂肪を減らしやすくなります。
こういったタイミングをおさえた上で実践してもらうと、上記でお伝えしたような効果を実感できると思います。
だらだら散歩の注意点
最後に、だらだら散歩をするときの注意点をお伝えします。
一生懸命歩かない
今回ご紹介している「だらだら散歩」ですが、健康のために歩こうと思うとどこかシャキッと歩く必要があるイメージってないですか?
ダイエット目的であれば、腕や脚を大きく動かして歩くのはいいと思います。
ただ今回ご紹介した「だらだら散歩」は全身をリラックスさせて歩いた方が気持ちいいですし、その方が身心の悩みを改善できる可能性も高まります。
ですので、全身を力ませて歩こうとせずリラックスした歩いてほしいですね。
不快感が出れば終了
先ほど時間設定などをご紹介しましたが、基本的にだらだら散歩しているときに、
・体がどんどんしんどくなってくる
・筋肉がパンパンに張ってくる
・30分歩いても全然心地良さがない
など、不快感があればその日はやめた方がいいかもしれません。
これは歩き方との関係があるので一概に言えませんが、不快感があればあまりいい結果につながることは少ないんですね。
ダイエット目的であれ、精神的な安定を求める場合であっても、基本的には心地良くできる時間継続してもらえればと思います。
自分なりの歩き方をしない
先ほど歩き方のポイントをお伝えしましたが、だらだら散歩と聞くと自分なりの歩き方で適当に歩けばいいような感じもしますよね。
ですが、歩き方がスムーズであることが大前提で、その中でだらだら歩くことでさまざまな効果を実感できます。
いつも何気なく行っている歩き方から少し変えて、より全身がリラックスできる歩き方に改善しましょう。そうすれば、より意味あるだらだら散歩ができるようになるので、ここはぜひおさえておきましょう。
意外に効果的!「だらだら散歩」の効果と具体的な5つの実践手順のまとめ
今回は、意外に効果的!「だらだら散歩」の効果と具体的な5つの実践手順について解説しました。
・だらだら散歩は、ダイエットや精神的な安定に効果的
・散歩するときは、必ず重心の位置を上げる
・そして、頭を前に運ぶようなイメージで前に進む
・目的によって、時間や効果的なタイミングが異なる
・散歩中は力まず、リラックスしておくことが重要
こういった内容をお伝えしました。
だらだら散歩は言葉だけ聞くとネガティブな印象がありますが、個人的には非常におすすめです。
カラダもココロも健康体に近づけるので、身心の悩みがある方にはぜひ実践してほしい方法の1つです。今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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