トランポリンをすると、脳にどのような影響があるのか?効果的、それとも悪影響…?こういったことって、気になりますよね。
結論から言えば、トランポリンは脳にいい影響が期待できますし、やり方次第で精神面も安定させることができます。
ただ、単純にトランポリンを跳べばいいわけではありません。脳の働きをよくするためには、少し工夫も必要になりそうです。
この記事では、
・トランポリンが与える脳への影響
・トランポリンで脳に良い影響を与える3つの方法
などを、パーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
トランポリンが与える脳への影響
僕もスタジオで、トランポリンを使って指導することがあるんですね。
こういったトランポリンを使うと、以下のような理由で脳に良い影響を与えられる可能性があります。
BDNFが増える
まず考えられるのは、
脳由来神経栄養因子と言われる、BDNFの分泌量が増える
ということ。
これだけ聞くと難しそうですが、「BDNF」という物質は脳細胞に対する「肥料」「栄養素」と考えてもらうとOKです。
トランポリンを跳び続けると、心臓が上下に揺らされて心拍数が上がりますよね。心拍数が上がることで、脳の海馬などでBDNFの分泌量が増える。
そうすると、このBDNFがニューロン(脳細胞)の成長やつながりを促進させます。
ニューロンの結びつきがよくなる
僕ら人間が何かを記憶したり理解するとき、脳の細胞はいわゆる電流を流して離れて存在するニューロン同士をつないでいます。
その電流を流す行為が繰り返され、結びつきが良くなることで、
・理解が深まる
・記憶に残る(記憶力が良くなる)
といったことが起こるんですね。
トランポリンを跳んで心拍数を上げ、脳内でBDNFが増えると、
・情報を取り込む
・その情報を処理する
・他の情報と結びつける
・記憶する
こういった流れを強化できます。
ある研究でシャーレに入れたニューロンにBDNFをふりかけると、ニューロンは新しい枝を伸ばし、学習に必要な成長を遂げることを発見したそうです。
つまり、脳の成長を促すためにはBDNFが重要であり、この分泌を促すためにトランポリンを行うことで脳に良い影響があるというわけなんですね。
ANPなどのホルモン量も増加する
もう1つ知ってほしいのは、
トランポリンを20~30分以上行うと、精神的にも安定する
ということ。
まとまった時間トランポリンを跳んでいると、心臓で「ANP」というホルモンが分泌されます。そして、そのANPは血流によって脳に運ばれる。
ANPは身心の興奮を抑える鎮静作用を持っており、脳に運ばれることで、
・イライラが落ち着く
・不安感の強さが和らぐ
・漠然としたモヤモヤ感が改善する
・衝動的な行動をしづらくなる
などの効果が期待できるんですね。
このように、トランポリンを跳ぶことで、
・BDNFの分泌量が増える
・ニューロンのつながりが良くなる
・ANPなどのホルモンが分泌される
こういったことが脳内で起こる。その結果、脳へ良い影響が与えられて、記憶力が良くなったり精神的に落ち着くわけです。
ではこのような反応を引き出すために、どのようにトランポリンを活用すればいいのでしょうか?
脳を活性化させるポイント
記憶力をよくする方法と精神的な安定を求める方法では、若干トランポリンの跳び方が変わります。
シンプルにお伝えすると、
・記憶力向上(脳の活性化)
→複雑な動きをプラスし、不規則なリズムで飛ぶ
・精神的な安定
→20~30分間、心拍数を上げるように飛べばOK
という感じ。
複雑な動きを加えながらトランポリンを跳ぶと、この行為によって脳内が活性化されます。さらに心拍数が上がれば、BDNFが増加。
ですので、記憶力や理解力を高めたい方は動きを複雑化することが重要なんですね。では具体的に、どのようにトランポリンを活用すればいいのでしょうか?
トランポリンで脳に良い影響を与える方法①:心拍数を上げる
まず最初は、
トランポリンで弾んで、心拍数を上げる
ことが重要です。
強度とすれば、
・少しきつい
・きつい
・かなりきつい
などと感じるぐらいの心拍数まで上げることが理想。
具体的な方法をご紹介しますが、個人の持久力によって心拍数の上がり方が変わるので、息が上がる方法を実践してみてくださいね。
1、その場で弾む
1、トランポリンの上に乗り、脚を肩幅に開く
2、つま先も違和感ない程度に開く
3、その状態で、上下に弾む
4、これを息が上がるまで行う
2、その場ジョギング
1、トランポリンの上に乗り、脚を腰幅に開く
2、つま先も違和感ない程度に開く
3、その状態で、ジョギングするように弾む
4、これを息が上がるまで行う
3、肩を上下に揺らしながら弾む
1、トランポリンの上に乗り、脚を肩幅に開く
2、つま先も違和感ない程度に開く
3、その状態で、肩を上下に揺らしながら弾む
4、これを息が上がるまで行う
4、前にパンチしながら弾む
1、トランポリンの上に乗り、脚を肩幅に開く
2、つま先も違和感ない程度に開く
3、その状態で、前にパンチしながら弾む
4、これを息が上がるまで行う
これらの方法を、
・息が上がるまで1つの方法を実践する
・いろんな方法を混ぜて息が上がるまで実践する
どちらでもOKなので、とにかく息が上がるまで継続します。
そして、BDNFの分泌量を増やして変化を実感したい方は、できれば20~30分間継続しましょう。そうすると、運動後に頭のスッキリさを実感できる方もいるはず。
それぐらい早い段階で変化を実感できますよ。翌日なども精神的に落ち着くので、できるだけ長い時間継続するのがポイントですね。
トランポリンで脳に良い影響を与える方法②:複雑な動きをしながら心拍数を上げる
続いてご紹介するのは、
複雑な動きをしつつ、トランポリンで心拍数を上げる
という方法です。
脳をより活性化させたい方は、単純な動きよりも慣れていない複雑な動きを実践する方が効果的なんですね。
ですので、
・記憶力を上げたい
・理解力を上げたい
・勉強を捗らせたい
などの目的がある方は、ここからの方法を実践しましょう。
1、スキップをしながら弾む
1、トランポリンの上に乗り、脚を腰幅に開く
2、つま先も違和感ない程度に開く
3、その場でスキップをしながら弾む
4、これを息が上がるまで行う
2、スキップをしながら上方パンチ
1、トランポリンの上に乗り、脚を腰幅に開く
2、つま先も違和感ない程度に開く
3、その場でスキップをしながら、上方をパンチ
4、これを息が上がるまで行う
3、手と脚を一緒に動かして弾む
1、トランポリンの上に乗り、脚を肩幅に開く
2、つま先も違和感ない程度に開く
3、その場で弾みながら、手と脚を一緒に上げて弾む
4、これを息が上がるまで行う
4、真横に脚を開いてつま先タッチ
1、トランポリンの上に乗り、脚を腰幅に開く
2、つま先も違和感ない程度に開く
3、その場で弾みながら、脚を左右に開く
4、開いた足のつま先を交互にタッチする
5、これを息が上がるまで行う
これらの方法も、
・息が上がるまで1つの方法を実践する
・いろんな方法を混ぜて息が上がるまで実践する
どちらでもOKなので、できれば20~30分間継続しましょう。
ただいきなり30分も弾み続けるのはかなりきついので、まずはご自身が続けられそうな時間継続してみてください。
それだけでも十分脳への効果が期待でき、頭のスッキリ感を実感できるはずですよ。
トランポリンで脳に良い影響を与える方法③:サーキットトレーニングをする
基本的に、上記でお伝えした2つの方法で脳の働きは変わるはず。
ただもう1つおすすめなのが、
筋トレとトランポリンを交互に行うサーキットトレーニング
です。
筋トレに慣れていない方は、サーキットトレーニングを行えばより脳を活性化できる可能性があるため、これも効果的。
サーキットトレーニングのやり方は以下の記事で紹介しているので、有酸素運動の部分をトランポリンに変えてもらうとOKですね。
2023.10.07
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トランポリンが与える脳への影響と実践してほしい3つの方法のまとめ
今回は、トランポリンが与える脳への影響と実践してほしい3つの方法について解説しました。
・トランポリンで心拍数を上げると、脳内のBDNFの分泌量が増える
・BDNFが増えることで、記憶力や理解力が向上する
・心臓からANPも分泌され、精神的に落ち着く
・うつ病やパニック障害も軽減する
・脳を活性化するためには、複雑な動きも行う
・可能であれば、20~30分を週2~3回以上の頻度で行う
自宅で行う方法であれば、最も脳に良い影響を与えやすいのがトランポリンだと思います。それぐらい、現場でも効果を実感しているんですね。
感覚が鋭い方は、トランポリンを実践して呼吸が落ち着いたタイミングで、1番頭のスッキリ感が実感できるはず。
それを1度実感できれば、あとは継続すれば記憶力などの違いもわかってくると思います。今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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