股関節が90度しか開かないし、開脚ができない。そんな悩みを現場でも相談されることがありますが、この悩みを改善するポイントは、「開脚をして筋膜を2分間伸ばし続けること」です。
ネットの情報などを見ているとトレーニングなどがおすすめされていることもありますが、改善方法はシンプルで開脚をしたいなら開脚をすればいいんですね。
大切なことは、不快感や痛みを出さずに伸ばし続けることであり、これが適切にできると1日でも柔らかくなることが実感できます。
この記事では、
・股関節が90度しか開かない、開脚ができない原因
・開脚をする5つの方法
などをパーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
股関節が90度しか開かない原因
股関節が90度しか開かない方の身体をチェックしていると、以下のような原因が考えられます。
3つの組織が硬くなっている
股関節が90度しか開かない方に共通しているのは、
・皮膚
・筋膜
・筋肉
などが非常に硬くなっているということです。
こういった組織が硬くなってしまうと、可動域が制限されたり、柔軟性が低下してしまうんですね。
開脚ができない方の場合、特に内もも周辺にある筋膜や筋肉(内転筋)が硬くなりがちです。
この内ももなどの組織を適切に緩めることができると、開脚ができるようになります。
開脚をするうえで必ず押さえておいてほしいことは、
身体が硬くなる要素のうち、41%は「筋膜」が感じている
ということです。
「体が硬いな…」と感じる要素はいろいろとありますが、その中で最も大きな割合を占めているのが「筋膜」だそうです。
つまり、筋膜を緩めることが柔軟性を高めたり開脚をするために重要になるわけです。
この筋膜を緩めるためには、心地良いストレッチングを約90秒間以上することがポイントになります。
ですので、冒頭でも少し触れましたが、開脚をするためには内転筋などを2分間程度ストレッチングすることが改善方法になるんですね。
ではそもそもなぜ、内転筋などの組織が硬くなってしまうのでしょうか?
一番の原因は運動不足
現場で見ていると、内転筋などが硬くなる最も多い原因は、
運動不足、動かさなすぎ
ということです。
人間は本来「動物」ですが、日頃の生活の中で、
・デスクワークを長時間している
・スマホを使って1日ゴロゴロしている
・階段などを使わず、自動で動くものを使用する
など、あらゆる機会で自分の身体を使わない「静物」化が進んでいます。
身体を動かさないことが習慣化すると、
・筋肉が弾力を失う
・硬くなって、委縮する
・筋肉の硬さに影響を受け、筋膜や皮膚も硬くなる
・身体の柔軟性が低下して、開脚ができなくなる
などの変化が起こる可能性があるんですね。
今ご自身の生活を振り返ってみて、運動不足ぎみになっていませんか?もし運動不足ぎみの方は、それが原因で開脚できなくなっているかもしれません。
内股になる癖がある
静物化とあわせて、椅子に座ったり何気なくその場に立っているとき、
脚が内股状態になっている
ということはありませんか?
こういう姿勢は常に内転筋などの筋肉が縮まり、ストレスを受けた状態になるんですね。
筋肉はストレスを受け続けると硬くなる性質があるため、このような姿勢の癖があることで内転筋などが硬くなっている可能性があります。
足の内側に体重が乗る癖がある
さらに問題になるのが、
何気なく立ったり歩いたりするときに、足の内側に体重が乗っている
ということです。
人間が自然な状態で立てると、「踝の真下」あたりに体重が乗るといわれているんですね。
この位置に体重が乗れば、立ったり歩いたりするときのストレスは脚や体幹に“分散”されます。
ただ、この位置から足の内側に体重が偏った状態で乗ってしまうと、主に内転筋などにストレスがかかってしまいます。
そうすると、結果的に開脚ができなくなったり、足が90度以上開かないという悩みにつながっているんですね。
ちなみに、こういった足の内側に体重が乗ることが原因でふくらはぎや外ももの太さにつながります。ここについては、以下の記事で詳しく解説しているので、よかったら参考にご覧ください。
2023.05.14
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ここまでのことを一旦まとめると、開脚ができない主な原因は、
内転筋などの筋肉や筋膜が硬くなっているから
です。
そして、内転筋などが硬くなってしまう原因は、
・運動不足
・内股で椅子に長時間座っている
・足の内側に体重が乗る癖がある
などが考えられます。逆の言い方をすれば、開脚をするためには、
・内転筋を緩める
・内転筋周辺の筋膜を緩める
・日頃の姿勢や動作を自然に直す
などのことが重要になるというわけです。
では具体的に、どのようなことをすれば足を90度以上に開け、開脚することができるようになるのでしょうか?
股関節が90度しか開かない!開脚をする方法①:太もも周りを擦る
まず最初に行ってほしいことは、硬くなっている太もも周りの皮膚を柔らかくする方法です。
皮膚の硬さを改善することでもある程度開脚ができるようになるため、まずはこの方法を実践していきましょう。
1、軽く開脚した状態で内ももを擦る
1、地面に座り、脚を開く
2、膝を軽く曲げる
3、この状態で内もも辺りを軽く擦る
4、これを1分間行う
2、軽く開脚した状態で前ももを擦る
1、地面に座り、脚を開く
2、膝を軽く曲げる
3、この状態で前もも辺りを軽く擦る
4、これを1分間行う
3、軽く開脚した状態で外ももを擦る
1、地面に座り、脚を開く
2、膝を軽く曲げる
3、この状態で外もも辺りを軽く擦る
4、これを1分間行う
4、軽く開脚した状態で裏ももを擦る
1、地面に座り、脚を開く
2、膝を軽く曲げる
3、この状態で裏もも辺りを軽く擦る
4、これを1分間行う
こうやって軽く擦ることで皮膚が柔らかくなり、内転筋が緩んで開脚がしやすくなるんですね。
続いては、軽く内転筋などを動かして緩めていきましょう。
股関節が90度しか開かない!開脚をする方法②:内転筋などを気持ちよく動かす
続いてご紹介する方法は、動的ストレッチ(体操)を活用して内転筋などの筋肉を緩める方法です。
ここからお伝えする方法では、
・できるだけリラックスして気持ちよく動く
・痛みや不快感を出さないように動く
などに注意して、動いていきましょう。
1、膝を外側へ一気に落とす
1、仰向けの状態になり、両膝を立てる
2、脚を揃えて、リラックスする
3、口から息を吐きながら、両膝を外側に開く
4、これを20回行う
2、脚を浮かせて膝を開く
1、仰向けの状態になり、両手をお尻に下に敷く
2、脚を地面から浮かせ、リラックスする
3、口から息を吐きながら、両膝を外側に開く
4、これを20回行う
3、膝を90度の状態で膝を開く
1、仰向けの状態になり、両手をお尻に下に敷く
2、脚を地面から浮かせ、膝を90度に曲げる
3、口から息を吐きながら、両膝を外側に開く
4、これを20回行う
4、脚を伸ばした状態で脚を開く
1、仰向けの状態になり、両手をお尻に下に敷く
2、脚を天井方向に伸ばす
3、口から息を吐きながら、両脚を外側に開く
4、これを20回行う
5、脚を開脚した状態で小さく弾ませる
1、仰向けの状態になり、両手をお尻に下に敷く
2、脚を天井方向に伸ばし、開脚する
3、開脚した脚を弾ませるように開く
4、これを30回小さく行う
このように内転筋が硬い方は、体操のような形で動きながら筋肉を緩める方が効果的です。
上記の順に行っていただくと、徐々に柔らかくなっていくことが実感できると思います。
ここまでの流れができれば、さらに開脚の角度を広げられるように、次は筋膜を緩めていきましょう。
股関節が90度しか開かない!開脚をする方法③:座った状態で筋膜を緩める
より確実に開脚できるように、ここでは4つの流れで筋膜を緩める方法をご紹介しますね。
基本的にはストレッチングを行っていきますが、ここでの注意点は、
・強い抵抗感、不快感を出さない
・必ず2分間以上気持ちよく伸ばし続ける
この2つです。
これらを守って行えば1日でも開脚できる範囲が広がっていくので、ぜひストレッチング前後の違いを実感してみてください。
1、足裏を合わせて前屈
1、地面に座り、足裏を合わせてカエル足になる
2、その状態で、不快感の出ない範囲で前屈する
3、前屈した状態で、2分間キープする
2、膝を曲げて開脚+前屈
1、地面に座り、開脚をする
2、軽く膝を曲げる
3、その状態で、不快感のない範囲で前屈する
4、前屈した状態で、2分間キープする
3、脚を伸ばして開脚+前屈
1、地面に座り、脚を伸ばして開脚をする
2、その状態で、不快感のない範囲で前屈する
3、前屈した状態で、2分間キープする
4、脚を伸ばしてさらに開脚+前屈
1、地面に座り、脚を伸ばして先ほどよりも開脚をする
2、その状態で、不快感のない範囲で前屈する
3、前屈した状態で、2分間キープする
ここまでが適切にできるとあとは、
・開脚する範囲を広げる
・前屈を深める
ということを継続的に行っていくと、ベチャっと開脚した状態で前屈もできるようになります。
ここまでの流れで十分開脚ができるようになっていますし、足が90度した開かないという悩みも改善できます。
もう1つ付属で楽に開脚ができるようになる方法があるので、あわせてご紹介しておきますね。
股関節が90度しか開かない!開脚をする方法④:壁を使ったストレッチングで筋膜を緩める
上記の方法で十分開脚はできますが、どうしてもやりづらいという方は、壁を使ってストレッチングを行ってみてください。
重力をうまく活用することができ、寝ながら簡単に内もも周辺の筋膜を緩めることができますよ。
1、膝を90度で開脚
1、壁の前で仰向けになり、両膝を90度に曲げる
2、脚を揃え、両膝をパカっと開く
3、この状態で2分間キープする
2、膝を軽く曲げて開脚
1、壁の前で仰向けになり、脚を壁に当てる
2、その状態から開脚し、膝を軽く曲げる
3、開脚した状態で2分間キープする
3、脚を伸ばして開脚
1、壁の前で仰向けになり、脚を壁に当てる
2、その状態から、脚を伸ばした状態で開脚する
3、そのまま2分間キープする
この方法は自分の力で伸ばそうとしないため、難しいテクニックも不要です。
非常に簡単で、ズボラさんも続けやすい方法ですので、こちらもよかったら参考にしてみてくださいね。
こういった方法で開脚ができるようになりますが、もう1つ改善しておきたいことがあります。それは、日頃の姿勢や動作の改善です
股関節が90度しか開かない!開脚をする方法⑤:姿勢や動作を自然な状態に直す
先ほど原因のところで、
日頃の姿勢や動作のまずさが、内転筋を硬くする
とお伝えしました。
この崩れた姿勢や動作を改善することで内転筋を根本的に柔らかい状態で維持できるため、上記の方法とあわせて必ず姿勢や動作を自然な状態に直しておきましょう。
姿勢や動作の改善方法は以下の記事で詳しく解説しているので、よかったらこちらを参考に改善してみてください。
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ここまでお伝えした一連の流れができれば、開脚できないという悩みは根本的に改善できるので、ぜひできることから実践してみてくださいね。
股関節が90度しか開かない!開脚ができない原因と5つの改善方法のまとめ
今回は、足が90度しか開かない方必見!開脚ができない原因と5つの改善方法について解説しました。
・開脚できないのは、筋肉や皮膚が硬くなっているから
・特に内もも付近の組織が硬くなると開脚がしづらくなる
・改善のためには、まず内もも周辺の皮膚を柔らかくする
・体操などを活用して、内転筋などを緩める
・そして、ストレッチングで内ももなどの筋膜を緩める
・日頃の姿勢や動作を自然な状態に直す
・この一連の流れができれば、開脚ができるようになる
こういった内容をお伝えしました。
開脚できないという悩みは、たまに遺伝の影響と言われることがありますが、先天的に問題がなければ十分今からでも改善は可能です。
大切なことは、どこをどのように緩めるかということです。大切なことは、解説した通り「2分間伸ばし続けること」なんですね。30秒だけでは足りません。
本質的なことをおさえて実践ができれば、1日でも変化が実感できるので、ぜひ開脚できないと悩む方は実践してほしいなと思います。
今回は以上です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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