先日40代女性から「胸が大きすぎて肩こりがひどい…どうにかなりませんか?」という相談を受けました。胸の大きさで悩まれている方は、肩こりがひどい方も多いですよね。
実はこの悩み、多少なりとも胸の大きさは原因であるものの、本当の原因は別にあるかもしれません。根本的に改善するためには、いかに自然な位置で肩周辺を維持できるか。これが大きなポイントになります。
この女性の場合、肩周りの筋肉を徹底して緩めるだけでうまく改善できました。同じ悩みを抱える方も、まずは肩周りの筋肉を緩めることが、改善の鍵となるはずです。
この記事では、
・胸が大きい方が肩こりになる原因
・胸が大きい方の肩こりを改善する4つの方法
などを、パーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
胸が大きい方が肩こりになる原因
今回ご相談を受けた40代女性のカウンセリングを行っていると、以下のような原因で肩こりがひどくなっている可能性がありました。
・肩の位置を引きすぎている
・場面によって身体を丸める癖がある
・脇をグッと締める瞬間が多々ある
・腕の位置が少し外側に上がる
おそらく胸の大きい方は、同じような原因で肩こりが出ている可能性が高いと思います。
読者の方は、ご自身にも該当しないかチェックしながら読み進めてみてくださいね。
肩の位置を引きすぎている
まず今回ご相談を受けた方の姿勢で気になったのが、
肩の位置を後方に引きすぎている
ということです。
これは「女性の肩(僧帽筋)や首に盛り上がりができる原因と4つの改善方法」でも触れていますが、人間の肩は前方30度の位置にあることが自然なんですね。
後から見ると、大体こういうイメージ感が自然です。
ただクライアントさんの場合は、脇の方向や肩甲骨の間にしわが寄ってしまうぐらい肩の位置を引きすぎていました。
肩こりで悩む方にこういう姿勢は多いですが、肩の位置を引いてしまうと「僧帽筋」などの肩周辺にある筋肉が緊張するんですね。
そうすると、血流が悪くなって老廃物が肩周りに滞ってしまう。その結果、肩こり独特のおもだるさが出てきます。
クライアントさんは非常に意識が高い方なので、ご指導してからはあまり肩の位置が問題になることはありませんでした。
ただストレスが多い時は無意識のうちに肩の位置が引けてしまう癖があり、こういうときは必ず肩こりがひどくなっていたんですね。まず問題になっているのは、こういった肩の位置の問題でした。
場面によって身体を丸める癖がある
次に問題になっていたのは、
場面によって身体を丸める癖がある
ということです。
胸の大きさで悩まれている方は、できるだけ他人に胸の大きさを見られたくがないため、無意識に隠そうとしませんか?
そうすると、
・身体を丸めて胸が目立たなくする
・肩の前に出すようにして腕を抱える
・脇を締めるようにして過ごす
など、自然な姿勢から崩れてしまうケースがあります。
ご相談を受けた女性の場合は、外で人とすれ違うときなどに身体を丸める癖がありました。
忙しくてバタバタしているときほど肩を引いて胸を張り、ふと我に返って胸の大きさが気になる場合は、身体を丸める。
こういった姿勢の崩れによって、僧帽筋が日頃から過度なストレスを受けている可能性が見えてきました。
脇をグッと締める瞬間が多々ある
さらに問題だったのが、
脇をグッと締める瞬間が多々ある
ということです。
例えば、
・少し早めに歩くとき
・信号が変わりそうで、小走りをするとき
などの場面では、どうしても胸が上下に大きく揺れてしまうそうです。
この揺れが恥ずかしくて、どうにか揺れないようにしたい。その想いで咄嗟にとる行動としては、
・脇をグッと締めて腕を内側に閉じる
・両手を抱えて、腕組みするような状態で走る
ということをしていたそうです。
こういった胸の揺れを隠すようなことをしたとき、自然に肩がすくんでいたんですね。
肩をすくめる動作で僧帽筋がストレスを受けるので、こういったちょっとした動作の癖も原因で肩こりになっている可能性がありました。
腕の位置が少し外側に上がる
そしてもう1つ肩こりの原因として考えられたのは、
腕の位置が少し外側に上がる
ということです。
これもストレスが多いときに見られたことですが、自然な状態であれば腕は肩からぶら下がったような状態になります。
ただストレスが多いときのクライアントさんは、腕が外側に若干上がってしまう。
これは実践するとすぐにわかりますが、後者の方が明らかに肩周りへの負担が大きくなります。こういった腕の位置の問題も、肩こりの原因として考えられました。
ちなみに胸が大きい方の場合、胸が邪魔になって肩から腕をぶら下げるこの状態がとりづらくないですか?
逆に少し肩を引くというか、腕をちょっと引く。この方が胸に腕が当たらないので、違和感ない方もいると思います。
実はこのちょっとした違いも、肩こりがひどくなる原因の1つになっている可能性があるんですね。
胸が大きいことも肩こりの原因の1つ
クライアントさんの場合は、上記でお伝えしたようなことが原因として考えられました。
ただもう1つ忘れてはいけないのが、
胸が大きく重い分、それが原因で肩こりになる
ということもあります。
身体の前側に重りを常に背負っている状態になるため、肩周りへの負担は胸が小さい方と比べると大きくなります。
この場合は、胸のサイズそのものを落とせば肩こりも楽になっていきます。胸を小さくする方法は「胸を小さくしたい方必見!バストダウン(胸を小さく)する6つの方法」で紹介しているので、よかったら参考にご覧ください。
改めて原因を整理すると、
・肩の位置を引きすぎている
・場面によって身体を丸める癖がある
・脇をグッと締める瞬間が多々ある
・腕の位置が少し外側に上がる
・胸の重さが肩周りにストレスを与えている
などが原因で肩こりになっている可能性がありました。
ですので、こういった原因を取り除くことができれば、悩んでいた肩こりを改善できるということが見えてきました。
では具体的に、どのようなことをすれば肩こりを根本的に改善することができるのでしょうか?
胸が大きい方の肩こりを改善する方法①:肩周りの筋肉を緩める
実際にご指導したことをまとめると、
全身の筋肉を緩める+肩を自然な位置に直す
ということです。
ここではご自身でも肩こりを改善できるような方法をご紹介しますが、実際のパーソナルでは身体調整などでも肩周りを緩めました。
肩周りの筋肉を緩めるためには、筋肉が力まないようにできるだけリラックスして気持ちよく身体を動かすことがポイントになります。まずは以下の方法を実践して肩周りを緩めていきましょう。
①肩をすくめて落とす
1、肩から腕をぶら下げて立つ
2、鼻から息を吸って、軽く肩をすくめる
3、口から息を吐いて、すくめた肩を落とす
4、これを20回繰り返す
②上げた腕を一気に落とす
1、肩の前で腕を構える
2、鼻から息吸って、片腕を頭上に上げる
3、口から息を吐いて、腕を落とす
4、これを交互に30回行う
③上げた両腕を一気に落とす
1、肩の前で腕を構える
2、鼻から息吸って、両腕を頭上に軽く上げる
3、口から息を吐いて、腕を落とす
4、これを交互に30回行う
④上半身を垂らすようにお辞儀する
1、脚を肩幅に開いて立つ
2、上半身をリラックスさせ、肩から腕をぶら下げる
3、骨盤を後方にずらし、上半身を垂らす
4、このとき首から頭を、肩から腕をぶら下げる
5、身体を元に戻し、これを20回繰り返す
こういった4つの方法を実践することで肩周りの筋肉が緩み、今抱えている肩こりを改善することができます。
ただひどい肩こりで悩む方はもっと筋肉を緩めた方が効果的で、もし時間がある方は以下の動画内容を実践してみてください。
そうすると、もっと肩や首周りの筋肉を緩むことが実感できると思います。
胸が大きい方の肩こりを改善する方法②:全身の筋肉を緩める
続いて胸が大きい方の肩こり改善で重要なのは、
肩以外の全身の筋肉を緩める
ということです。
人間の身体はつながりがあるため、
・手や腕
・足の指や脚
などが捻じれたり崩れると、その影響が肩周りに出ることがあるんですね。
これは体感しないとわかりづらいかもしれませんが、肩こり改善でも全身を整えることが重要です。
そのため現場では肩以外には、
・首
・手、手首
・足の指
・下半身
・体幹
など、肩以外の全身を緩めています。
実際にクライアントにこういったことを説明しつつ手や足の指を整えると、
全然関係ない部位なのに、肩周りも緩んで楽。全然関係なさそうなのに、つながってるんですね…
と言われていました。
ですので、肩周りを重点的に緩めた後にお時間がある方は、ぜひ全身の筋肉を緩めてみてください。その方法は以下の動画内容がおすすめなので、これで全身を整えていきましょう。
胸が大きい方の肩こりを改善する方法③:肩の位置を自然な位置に直す
上記のような方法で全身の筋肉を緩められると、次にご指導したことは、
肩を自然な位置に直す
ということです。
クライアントさんの場合は、
・肩の位置を引きすぎる
・身体を丸めるような姿勢になる
という2つの癖が問題になっていました。
これは胸そのものを小さくしないと根本的な改善はできない可能性がありますが、その上で肩の自然な位置がどこかということをお伝えしたんですね。
すると、
胸が大きいから肩が疲れると思っていましたけど、肩の位置を変えるだけでかなり肩が楽ですね。
と言われていました。
もし今肩が不自然な位置になっている方は、以下のような方法で肩の位置を修正してみてください。そうすると、肩周りが楽な状態を維持できます。
①肩を上下+腕をぶらぶら
1、脚を肩幅に開き、肩を軽く上下に揺らす
2、ある程度できたら、腕をぶらぶら揺らす
3、交互に何度か繰り返す
4、その後に、肩から腕をぶら下げてリラックスする
②腕を上下に軽く動かす
1、脚を肩幅に開き、肩から腕をぶら下げる
2、肘を身体の少し前側から軽く上げる
3、上げた腕を脱力して落とす
4、何度か繰り返した後、肩から腕をぶら下げる
どちらかやりやすい方法を実践し、終わった後に肩から腕をぶら下げてもらうと肩は自然な位置に修正されています。
感覚的には、ほとんどの方は「身体が丸まっている」「猫背のような感覚がある」という感想になると思いますが、それで問題ありません。
実はその位置が自然であり、一番肩周りにストレスがかからない位置になるんですね。こういう根本的な問題を取り除くことが、悩みの解決には必要なんですね。
胸が大きい方の肩こりを改善する方法④:胸を根本的に小さくする
もう1つ根本的に肩こりを改善するために必要なのは、
胸そのものを小さくする
ということです。
やはり身体の前側に重りを常に抱えている状態になるので、その重りが軽い方が身体への負担は小さくなります。
胸を小さくする方法は以下の記事や動画で詳しく解説しているので、よかったらこちらを参考に行ってみてください。
ちなみにYouTubeで紹介している方法では、2カップ以上小さくなっている方もいるので、悩んでいる方にはぜひ実践してほしい内容ですね。
ここまでお伝えしたようなことを現場でもご指導していますが、まだ日によって肩こりが出てしまうこともあります。ここは、僕自身の課題です。
ただご相談を頂く前と比べると、
以前よりも全然肩こりがマシです。ボコッとした盛り上がりも気になってましたけど、それも気にならなくなってきたんで嬉しいです。
と言われていました。
今後クライアントさんに対して必要になるのは、
・胸の大きさを根本的に小さくすること
・その上で、姿勢や歩き方を自然な状態で維持できるようにすること
などになります。
自然な姿勢や歩き方を理解されたとしても、いざ街を歩いて周りからの視線を感じると、
・どうしても無意識のうちに腕で隠してしまう
・知らないうちに力んで、上半身を緊張させてしまう
といったことが起こります。
ここはクライアントさんが長年悩んでいたことなので、ご本人のお気持ちを聞きながら修正を重ねていく必要があります。
人目がないときには、自然な姿勢に直し、自宅では緩める。これを徹底してもらっています。こういう積み重ねで根本改善に向かうので、今後もクライアントさんの状態に合わせてご指導していきたいと思います。
胸が大きい方必見!肩こりになる原因と改善する4つの方法のまとめ
今回は、胸が大きい方が肩こりになる原因と改善する4つの方法について解説しました。お伝えした内容をまとめると、
・肩を後方に引く癖などがある
・胸を隠そうと、上半身を力ませる癖がある
・これらによって僧帽筋が硬くなり、肩こりが発生
・改善するためには、まず肩や全身などの筋肉を緩める
・その上で、姿勢などを改善する
・根本改善のためには、胸を小さくすることも必要
こういった内容をお伝えしました。
現場でも相談を受けていますが、胸が大きいと悩む方は過去に本当につらい経験、思いをされていますよね。自分の意図とは全く違う嫌味などを言われた方もいるかもしれません。
1つだけはっきり言えるのは、胸の大きさは改善が可能だということ。もちろん肩こりも改善可能です。少し時間はかかるかもしれませんが、コンプレックスとなっている胸は小さくなります。
ですので、「もういいや…」「我慢したらいいや…」と投げやりにならず、ぜひ今回の記事などを参考に改善方法を実践してほしいなと思います。必ず変化していきますからね。
今回の内容で肩こりはもちろん、本気で胸の大きさに悩む方の参考になれば嬉しく思います。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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