僕が5歳のとき、おかんが家出。小学1年生から掃除・洗濯などはすべて自分で行う。親父も常に怒鳴ってばかりで、恐怖に怯える毎日。
傍から見れば、家庭環境が悪いですよね。こういうことを言うと、必ず「苦労したね…」と言われる。確かに失ったものもあるかもしれませんが、得たものの方が大きい。
それが率直な感想です。今自分がこうやって自立できているのも、すべては幼少期の経験があったから。過去の家庭環境の悪さは、自分の考え方次第でいい経験に変えられるはず。
この記事では、
・家庭環境が悪いからこそ得られた8つのこと
・家庭環境が悪いことで受ける悪影響
などを、パーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
おかんが家出したときの記事もあるので、興味ある方はご覧ください。
人生はさまざまであり、価値観も生き方も違う。正解もなければ不正解もないと思います。死ぬ直前に「後悔のない人生だった」と思えれば、それは大成功と言える人生かもしれません。 僕は現在36歳、71歳になった
今回の記事の内容
家庭環境が悪いってそもそも何?
先ほど「家庭環境が悪かった」とお伝えしましたけど、そもそも家庭環境が悪いってどんな状態なんですかね?
僕がパッと思いついたのは、
両親などからの愛情がほぼなく、放置状態
ということ。
もちろん、
・食事を与えてくれない
・暴力を振るわれる
・酒におぼれた両親がいる
・生活環境が悪い
など、いろんなことが考えられますよね。
特に定義がないので、家庭環境の悪さってよくわからない。ただ僕の場合は、両親からの愛情はそこまで感じなかったので、今回は上記でお伝えしたような定義にしておきますね。
愛情を感じなかったものの、他では経験できないようなことが経験できているので、感謝の気持ちはかなり大きいのが本音。
家庭環境が悪いからこそ得られた8つのこと
僕が5歳のときにおかんが家出をし、自分のことは自分でする。そんな生活が始まって、今思えば苦労はかなりあったかもしれません。
でも、それ以上に得られたものが多すぎた。家庭環境が悪いことで得られたことは、以下の通り。
1、自立心
一番得られた中で大きかったのは、
自分のことは自分でするという“自立心”
です。
23歳のときに起業し、そのときも「自分でやったことに対して、すべて責任を負いたい」という想いから起業しました。
・自分で考える
・自分で行動する
・その結果が自分に返ってくる
かなりシンプルで、わかりやすいですよね。
この思考はおかんが家出をしてくれたおかげだし、家庭環境があまりよくなかったおかげで、小学生のときから自立心を養うことができました。
2、とにかくやってみる
今の仕事に役立っていることの1つに、
考えすぎず、とにかくやってみる
ということがあります。
小学1年生の頃、全く料理ができない中で見よう見まねで料理を開始。このとき、
卵と何混ぜたらおいしくできるんやろう…。とりあえず、マヨネーズと醤油かけてみよう。
みたいな感じで、いろんなことを試しました。結果は惨敗。(笑)当たり前ですよね。
でも数をこなすと、失敗を恐れるのではなく、“試す”という感覚に変わる。そうやって数をこなすと、味の方向性がわかってきて徐々においしくできました。
こういう経験があったからこそ、今でもとりあえずやってみて、やりながら考えるという癖がついた。これは今の仕事で、かなり役立っていますね。
3、常に笑顔でいること
頼れる大人、信用できる大人が周りにいない。だから、かまってもらえるように常にかわいい子供演じていたかもしれません。常に笑顔で、愛想を振りまいていた。
でもそれが、今の自分の武器になっている。今は愛想笑いではなく、
常に笑っていることが幸せ
なんですよね。
何かをしてもらったり、ちょっとした親切をしてもらったとき、笑顔で「ありがとう」でいいじゃないですか?
自分が笑顔でいれば、周りの人もすごしやすくなるはず。こういう明るい表情でいるという癖も、子供のときの経験で得られた気がします。
4、相談に乗れる幅が広い
幼少期から今まで、本当にいろんな経験をしました。僕以上に苦労されている方は、もっといると思います。
ただ、いろんな経験をしてきたからこそ、
他人から相談される内容で、大きな負担になることがほぼない
のかもしれません。
相談内容によっては、聞いている側もしんどくなるじゃないですか?僕はどんな相談であっても、別に自分はしんどくならない。
なので、現場でもいろんな相談をされます。
・金銭のトラブル
・夫婦間のいざこざ
・旦那の不倫
・隠し子
などなど、あげればきりがありません。
僕は幼少期から“実体験”としてしんどさを味わっているので、“聞くだけ”なら全く苦にならなくなりました。これも、家庭環境が悪いからこそ得られたことだと思いますね。
5、やさしさ
おそらく周りで苦労している方って、やさしい方が多いんじゃないですかね。
これっていろんな要因があると思うんですけど、個人的には、
しんどい想いをした分、そのしんどさが本当の意味でわかる
からだと思います。
僕もしんどい思いをされている方から相談を受けると、とにかく力になりたいなと思うし、少しでも楽になってほしい。本心からそう思うんですね。
こういった他人を思いやれる気持ちを根っこから持てたのも、家庭環境の悪さがあったが故だと思います。
6、前向きに物事を考える
家庭環境が悪いと、どうしても目の前のことに頭がいっぱいになってマイナスなことを考えがち。僕も実際は、そんなときがあった。
ただいつからか、
この状況は、何をしたらもっと良くなるんだろう?
と前向きに物事を考える癖がつきました。
もし違う思考であれば、
・なんで自分はこんな家に生まれてきたんだろう
・もっと裕福だったらよかったのに…
・自分は一生こういう人生なんだ…
と悩んでいたかもしれません。
でも大人に近づくにつれて、ゲーム感覚のように「どうすればもっと良く…」「どうすればもっと楽しく…」と考えていましたね。
一種の自己防衛かもしれません。元々落ち込みやすいし、悩みやすい性格だと思います。でも今は落ち込むこともほぼないですし、前しか向いていない。この思考が早い段階で得られたのは大きかったですね。
7、ポジティブな言葉を使う
僕の家族は、両親と僕以外兄弟が3人の6人家族でした。小さい頃から腹の底から嫌だったのが、ネガティブな言葉。
・これは無理
・こんなんできない
・あいつやからできるんや
・絶対不可能
こんな言葉を聞くたびに、嫌気がさしていた。これは幼少期から思っていて、僕以外の家族はネガティブな発言をよくする。
物事ってやってみないとわからないし、行動してみないと自分の力もわからない。それをやる前からグダグダ言って、結局やらない。それが無性に嫌いでした。
だから僕は、できるだけポジティブな言葉を使うようになり、いま現場で指導するときも言葉遣いにはかなり気をつけるようになっていますね。
8、当たり前のことがありがたく思える
僕の実家って、
・自宅にドアがなく、シャッターで出入りをする
・シャワーがなく、台所にあった湯沸かし器でお湯を溜める
・お風呂に蛇口がない
・雨が降れば、常に雨漏りする
といった感じで、小学生の頃は恥ずかしくて友達に言えないような家でした。
家があること自体ありがたいことではあるんですけど、やっぱり家の見た目や友達を呼べないというストレスは常にありましたね。おかんもいなかったですし。
今もたまに思うのは、
・お風呂にシャワーある!
・玄関に扉あるやん!
・雨降っても、雨漏りしいひんやん!
ってこと(笑)
冗談交じりですけど、こういう経験をすると、当たり前のことに感謝できるんですよね。
・奥さんが料理作ってくれる
・子供たちが、毎日笑顔で抱きついてくれる
・誰かにしてもらったちょっとした親切
本当に小さいことにも、ありがたさを感じる。
本当は当たり前じゃないことなのに、それが当たり前のようになされると、本当の価値がわからなくなって感謝できない。幼少期の経験は、こういった気持ちの面でも成長させてくれました。
なので、家庭環境の悪さって、
すべてが悪いものでもなく、得られることも多い。全ては自分の捉え方次第
なのかもしれません。
とはいえ、家庭環境が悪くなれば子供に対する悪影響が出る可能性も高い。ここも、僕自身の経験を踏まえてお伝えしますね。
家庭環境が悪いことで受ける悪影響
家庭環境が悪いと、以下のような悪影響が出る可能性もあります。
1、わがままになる
両親に愛情を注がれていない子の場合、誰かの気を引こうとして「わがまま」になるかもしれません。
「わがまま」というよりもかまってほしいがために、
・気を引くために、過剰の話しかける
・駄々をこねるようにお願い事をしてくる
・過剰に甘えてくる
といった行動を他人の親や学校の先生などにしがち。
僕は気が弱い方だったので、甘えたくても甘えられなかった。だから常に笑顔でいて、「かわいいね」と言ってかまってもらえるようにしていたのかもしれません。
どんな行動をするにせよ、愛情不足が原因でわがままさが目立ってしまうようになる可能性があります。
2、コミュニケーションが円滑にとれない
上記のことに関連しますが、親の愛情を十分に受けられないと、コミュニケーションが少し一方通行になってしまうかもしれません。
周りにかまってほしいから、自己主張が強くなる。でも自己主張が強すぎると、周りから敬遠される。その原因が自分ではよくわからなくて、空回ってしまう。
こういう時期が僕にもあったんですね。
・クラスの全員から無視される
・いじめられる
なども経験。そのときは辛かったですけど、学びも多かった。
今だからこそよくわかりますが、やっぱり自分のことしか見れなくなってしまうんですね。これも、家庭環境の悪さが大きく影響していると考えられます。
3、精神的に不安定になる
家庭環境が悪いと、小さい子供でも知らず知らずのうちにストレスを抱えてしまう。そうすると、
・うつ
・不安症
・パニック障害
など、精神的に不安定になってしまいます。
実際に現場でも「うつ」「パニック障害」などの方から相談を受けることもあるんですけど、ご家庭も複雑な方が多い。
僕も幼少期はかなり精神的なストレスはあったと思うので、その影響は大人になってから自覚することもありますよね。
4、本音を言えなくなる
両親が攻撃的だったり否定的だったりすると、自分の意見が言えなくなってしまう。
僕も自宅では本音を言えない幼少期を過ごし、野球を始めなければ本音を言えない大人になっていたかもしれません。
でも野球をしたことで、
・自分の意見を言うことに慣れる
・大きな声で意思を伝える
ということを毎日のようにしていたので、本音を言えないということにはなりませんでした。
でも、高校生ぐらいまでは本音を言うのにはかなり時間がかかりましたよ。もし大人になるまで家庭環境が悪い方の場合、大人になっても本音が言えなくなる可能性もあるはず。
5、人が信用できない
本来最も近い存在である両親との関係が悪く、人として信用できない。そんな環境で育ってしまうと、他人を信用するのも難しくなる。
実際僕も、つい最近までは人を心の底から信用できませんでした。でも最近は考え方が変わり、
自分が心の底から信用すれば、相手も同じように信用してくれる
ということを痛感したので、信用できるようになったと思います。
でもやっぱり、自分の中には壁がある気がする。このように、家庭環境が悪い中で育ってしまうと、人が信用しづらくなる可能性も高い。
6、自分の価値観を押しつけてしまう
もう1つ考えられるのは、
自分の価値観を押しつけてしまう
ということ。
僕は自分が経験したしんどさは、できるだけ子供達にはさせたくありません。おそらく、多くの方はこの意見に同意してくれるはず。
ただ中には、自分が家庭環境が悪い中で育ったことによって、同じことを子供にもしてしまう方がいるのも事実。こうなると、同じ辛さを子供たちにもさせてしまう。
心ではしないと思っていても、自然とそういう言動になってしまうケースもあります。
会社の上司でもいませんか?自分が苦労して昇進したから、部下もしんどい想いをさせるみたいな人。これって、どうなんですかね?
価値観は人それぞれだし、楽に昇進できる方法があるなら違ってもいいと思うんですね。でも、家庭環境が悪い中で育つと、こういう自分の価値観を押しつけてしまうこともあります。
そうならないように人として成長し続けることが、何よりも大事なのかもしれませんね。
家庭環境が悪いからこそ得られた8つのことのまとめ
今回は、家庭環境が悪いからこそ得られた8つのことなどについてご紹介しました。
・家庭環境が悪い=不幸とは限らない
・捉え方や考え方を変えると、プラスになる
・ただ、家庭環境が悪いと子供に悪影響が出る可能性もある
家庭環境が悪い中で過ごしている方は、今は辛いですよね。でも、今の経験が必ず活きるときがくる。ですので、こらえてほしいなと思います。
もちろん一人じゃないですし、周りには必ず理解してくれる人がいる。僕もその一人ですし。どうしても無理なときは、気軽にメッセージください。
家庭環境の悪さを乗り越えると、将来の大きな武器になる。だからこそ、今を前向きに過ごしてほしいですね。今回の内容が、少しでも参考になれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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