手首は返す or 返さない。よくバッティングの中で議論されますが、結論からお伝えすると“そういう意識を持たない”ことが適切。
バットにボールが当たった後に手首が“自然に”返るため、手首にあまり意識を向けない方がパフォーマンスとしてはよくなります。
逆に手首を返そうと意識し過ぎると動きの硬さにつながり、良いバッティングができなくなってしまう可能性があるんですね。
この記事では、
・バッティングでは手首を返す?返さない?
・場面によって変えたい手首の使い方
などを、パーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
バッティングでは手首を返す?返さない?
冒頭でもお伝えした通り、
バッティング時に手首を返す、返さないという意識を持たない
ことが適切なんですね。
この理由は、以下の通り。
動きの妨げになる
バッティング時の手首の使い方を考えている方は、「より良いバッティングがしたい」という目的があるはず。
この目的を達成するために最も重要なのは、
全身がリラックスして、スムーズな動作を行えること
です。
野球選手がスイング動作を行うとき、
・下半身
・骨盤
・体幹
・肩
・腕
・手
という順に身体が連動して動きます。
スムーズな動きの中で、1つ1つの関節をまたぐように連動して動作が行われると加速される。その結果、最大のスイングスピードでバットを振ることができるんですね。
これが良いバッティングをするための基本。ただスイング動作の最中に、手首をどのように使おうかと意識すると、その部分が減速してしまう。
そうするとスイング動作に硬さが生じて、あまり良いバッティングができなくなるんですね。
ボールが前に飛んでから手首が返る
もう1つ手首を返す意識を持たなくてもいい理由は、
ボールが前に飛んでから手首が返っていく
ということ。
これはYouTubeの動画がわかりやすかったので、こちらをご覧ください。
インパクトの瞬間をスロー再生した映像ですが、すべての選手に共通しているのは、
インパクトを迎えた後に手首が返っている
ということ。
バッティングをしているときに手首を返そうと意識しても、ボールが前に飛んでから手首を返っているので結果にあまり変わりはない。
先ほどもお伝えした通り、意識して手首を使うと動きが硬くなってマイナスになってしまう。
だからこそ、バッティングをしているときに手首を返す意識は不要というわけです。
微妙な誤差がある
さらにもう1つ、手首を返す意識を持たない方が良い理由としては、
バットにボールが当たった瞬間と、それを認識するタイミングに誤差がある
ということ。
バッティングをしているとき、この位置でバットにボールが当たったとしますよね。
人間の脳は、この瞬間に「当たった」という感覚を感じているわけではありません。
コンマ何秒ほどか、バットにボールが当たった感覚が若干ズレて感じています。表現とすれば、ボールが若干前に飛んでから「当たった」と感じる。
バットにボールが「当たった」と感じてから手首を返そうとしても、ボールはすでに前にとんでいるのでパフォーマンスに影響しないんですね。
こういった理由からも、バッティング時に手首を返す、返さないという意識は持たない方が良いということがいえます。
ただここまでお伝えしたのは、
自然なスイング動作をするための内容
です。
実際の野球では戦術的なことも加わってくるため、「絶対に手首を使う意識を持たない方がいい!」とは言い切れないんですね。
時には手首を使う意識を持った方がいいこともあるため、続いては少し別の角度からバッティングの手首についてみていきたいと思います。
場面によって変えたい手首の使い方
あえて手首の使い方を意識した方が良いのは、以下のような場面。
狙ってゴロを打つ
例えばランナーがいる場面で進塁打を打ちたいとき、ゴロを狙って打つ必要がある機会があると思うんですね。
こういう場面では、
あえて手首をこねるように、意識的に使う
というイメージでバッティングを行います。
そうすると、ゴロが打ちやすくなって戦術的には成功率が上がる。この場面では、手首を使う意識を持った方がいいかもしれません。
リストが強い
続いては場面というよりも、身体的な特徴が関与します。
リストが強い選手の場合、手首の使い方を意識してバッティングをしても打てる選手がいるんですね。その代表格が、落合博満選手。
落合選手の場合、手首を返すようにバッティングをしている場面が多くありますが、長打をよく打たれていました。
こういう選手の場合は、手首を返すようにバッティングすれば、いい結果につながるケースもあるんですね。
こんな感じで、絶対に手首を返す意識を持たない方がいいというわけではなく、臨機応変に使い分けることも重要です。
バッティング時の手首の使い方の改善方法
ここまではバッティング時の手首の使い方を解説しましたが、バッティング時に手首が以下のように寝てしまう選手っていませんか?
こういう状態でインパクトを迎えると、どうしてもボールに負けてしまう。結果的に打ち損じたり、打球が弱くなる。
こんな手首の使い方を改善するために、あえてスイング練習で手首を使って動作改善する方法もあるんですね。
もし手首が寝てしまう癖がある選手は、ぜひ以下の方法を参考に実践してみてください。
大根切りを繰り返す
1、普段通りにバットを構える
2、胸の高さで、手首を返して大根切りを繰り返す
3、このとき肩を平行に回転させるように動かす
4、これを30回以上行う
上からボールを叩くイメージで低めを打つ
1、普段通りにバットを構える
2、地面ぎりぎりを、手首を返して上からたたくイメージでスイングする
3、これを30回以上行う
このどちらかの方法を実践した後、全身をスムーズに動かしてスイング動作を行う。その後に、何も考えずバッティングしてみてください。
そうすると、いつも以上に良い打球が飛ぶはず。こういったスイング動作を改善する方法として、手首の使い方を意識してスイングすることはよくありますね。
ちなみにスムーズなスイング動作をするポイントは、以下の記事で解説しているのでよかったらご覧ください。
2023.09.26
野球選手必見!身体を自然に使った打ち方やバッティングの4つのコツ
野球選手の打ち方はやバッティングフォームは、身体の自然な動きを知ることで劇的にパフォーマンスが変わることもあります。 「これだけでそんな打球が変わるの?」と現場でも言われることもありますが、読者の方も少しのポイントを知ることでパフォーマンスが大きく変わるはずです。 バッティングで...
こんな感じで、先ほどもお伝えした通り、
基本的にバッティング時は、手首の使い方に意識を向けなくていい
という理解をしてもらえるとOKですね。
手首は返す?返さない?知っておきたいバッティング時の手首の使い方のまとめ
今回は、手首は返す?返さない?知っておきたいバッティング時の手首の使い方について解説しました。
・バッティング時は、手首の使い方に意識を向けなくていい
・ボールが前に飛んでから手首は返り始める
・当たったという感覚を感じたときには、ボールは前に飛んでいる
・過度に手首を使おうとすると、動きが硬くなる
・場合によっては、手首を返す意識を持った方がプラスになる
選手の感覚としては、手首を使う意識を持った方が良い選手もいるかもしれません。もしそうであれば、その感覚でバッティングをした方がいいと思います。
ただ多くの選手は、手首を使おうとすればするほどゴロが増え、あまり結果も伴わないはず。バッティング時は、バットをセンターの奥に投げるイメージの方が結果はよくなりますよ。
今回の内容が、少しでも野球選手のレベルアップにつながればうれしく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
無料体験・パーソナルのお申込みはこちら
今回お伝えした内容は、パーソナルのセッションだとより確実に改善可能です。もしご自身で改善が難しい場合は、お気軽にご相談ください。
・無料体験のお申込みはこちら
・パーソナルのお申込みはこちら
・【毎月1名限定】パーソナルモニター募集
・ペアパーソナルのお申込みはこちら
最新記事
・筋トレ後にむくみがひどくなる&体重増加する原因と5つの改善方法
・腹筋をすると尾てい骨が痛い原因と3つの改善方法
・トランポリンが与える脳への影響と実践してほしい3つの方法
・女性の肩(僧帽筋)や首に盛り上がりができる原因と4つの改善方法
コメント