「朝にストレッチをするのはよくない」と言われることもありますが、僕は毎朝ストレッチをするのが習慣ですし、この習慣を取り入れてから調子がいいんですね。
「朝のストレッチはよくない」というのは誤解ですし、適切な方法でストレッチを行うことで1日のいいスタートが切れます。
ただ、“静的ストレッチング”と言われる筋肉を伸ばし続けるような方法を行うときは、少し注意があるのでここはおさえておいた方が良さそうです。
この記事では、
・朝ストレッチがよくないと言われる理由
・朝におすすめな8つのストレッチ方法
などを、パーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
「朝ストレッチはよくない」と言われる理由
冒頭でもお伝えしましたが、今回のテーマの結論をお伝えすると、
朝にストレッチを行っても問題なく、適切な方法が実践できると身体の状態がよくなる
ということです。
ただネットなどの情報を見ていると、
朝ストレッチは身体によくないし、ケガのリスクもあるためおすすめできない。
と書かれていることがよくあります。なぜ、こういった意見が言われているのでしょうか?
朝の身体の状態
まず考えられることは、
朝の時間帯は、筋肉が硬くなっている
ということです。
人間の身体は眠りにつくと、エネルギー消費が低下することで体温が下がるんですね。眠っている時間経過とともに体温が下がると言われていますが、朝の時間も体温が低いまま。
そうすると、
・体温が低く、筋肉が硬くなっている
・寝ると動きが少ないので、筋肉が硬くなる
などによって、日中の活動的な状態より身体が動かしづらく、筋肉が伸ばしづらくなります。
ですので、こういった朝の状態でストレッチをしてしまうとケガをする危険性があるため、朝のストレッチはよくないと言われているんですね。
ストレッチの本来の目的
ただここで整理しておきたいのは、ストレッチを行う本来の目的です。
ストレッチの目的は、
筋肉を緩める
ために行います。
もし筋肉がガチガチになっている朝にストレッチを行うのであれば、本来は適切なタイミングのはずです。でも、
・朝にストレッチをすると危険
・筋肉が硬いから伸ばすとケガをする
というような言い方をされています。
ここは少し矛盾が発生していますよね。ではなぜ、このような矛盾が発生してしまうのでしょうか?
1番のポイントはストレッチの“やり方”
今「ストレッチ」という言葉を聞くと、どのような方法をイメージしていますか?おそらく多くの方は、あるポージングを数十秒間キープするような、ストレッチ方法だと思います。
こういったストレッチのことを「静的ストレッチング」と言うんですね。
日頃からこのような静的ストレッチングを行っている方も多いと思いますが、このストレッチング方法で適切に筋肉を緩めるためには、以下のポイントを守ることが重要です。
・気持ちよく、ゆっくりと筋肉を伸ばす
・その状態で約30秒以上伸ばし続けること
この2つの条件を満たした中でストレッチングを行えば、適切に筋肉が緩みます。
ただ、この条件とは逆の方法でストレッチングを行ってしまっている方もいると思います。
・痛みを感じるぐらい強く筋肉を伸ばす
・不快感があるけど、頑張って筋肉を伸ばしている
ご自身が行っているストレッチングは、こういった方法になっていませんか?
もしこのやり方でストレッチングを行っている方は、「朝のストレッチはよくない」というのは、あながち間違いではなくなるかもしれません。
朝に筋肉を強く伸ばすのはNG
先ほど、
朝は体温が低く、筋肉が硬くなっている
とお伝えしました。
もし活動した日中や、お風呂上りの夜などに痛みを感じるぐらいのストレッチングを行えば、痛めることはないにしても適切に筋肉は緩みません。
ただ、このときと同じ感覚で朝にストレッチングを行ってしまった場合、筋肉が硬くなっているので過度なストレスがさらにかかります。
そうすると、このタイミングで痛みが発生したりケガのリスクが高まるということが考えられます。
ですので、朝にストレッチすることは良いことですが、大切なことはその中身です。
もし日頃から筋肉を強く伸ばすようなストレッチングをしている方は、朝ストレッチングをする場合は、筋肉の伸ばし方をもっと考える必要が出てくるんですね。
とはいえ、この静的ストレッチングはテクニック的にも難しく、僕自身はあまりおすすめしていません。おすすめなストレッチ方法は、「体操」です。
朝は「体操」がおすすめ
体操というのは「動的ストレッチ」であり、イメージしやすいのがラジオ体操ですね。
関節を気持ちよく動かしながら筋肉を緩める方法です。これだと過度に筋肉を伸ばす危険性も少なく、なおかつ終わった後の身体のスッキリ感を非常に実感できます。
僕は毎日、
・肩甲骨周りの体操
・背骨周りの体操
・骨盤の体操
・下半身の体操
などを約15分程度で行っています。
そうすると、
・全身の筋肉が柔らかくなる
・身体が軽くなり、精神的にも落ち着く
・朝のだるさもリセットされ、活動しやすくなる
・朝のしんどさが軽減され、意欲が湧いてくる
など、身心共にいい効果を実感できています。
ですので、もし朝のストレッチを考えている方は、できれば後ほどお伝えする体操に切り替えてもらった方がいいと思います。
では具体的に、どのようなストレッチを朝にすると上記のような効果を実感できるのでしょうか?
朝ストレッチはよくない?朝におすすめのストレッチ方法①:ダイナミックストレッチ
これは以前「華奢になりたい方必見!華奢でスレンダーな体になる6つの方法」でもお伝えしましたが、立ちながら行う全身のストレッチ方法です。
この方法で僕自身は毎日身心の調子を整えていますし、ウエストも-10cmぐらい細くできているんですね。
自信を持っておすすめできる方法ですので、もし朝のストレッチを行いたい方はこの動画を参考に実践してみてください。
ただ、いきなり起きてこの体操をするのが少し億劫な方もいると思うんですね。
そういった方は、次でお伝えする寝ながらできる体操を行っていきましょう。
朝ストレッチはよくない?朝におすすめのストレッチ方法②:寝ながらできる方法
理想は立って行う体操ですが、寝起きでもできる寝ながら体操もおすすめです。
ここではいろんな種類をご紹介しますが、最初はすべてやるイメージよりも、何かやりやすい方法を見つけて実践していきましょう。
もしすべての体操ができる方は、すべてやってもらってOKです。その方が、体操の効果を実感できますよ。
①頭を左右に転がす
1、仰向けの状態で、軽く顎を上げる
2、頭がボールのイメージを持ち、左右へ転がす
3、首がグッと力まない程度に、気持ちよく動かす
4、これを1分間行う
②両肘を開く
1、仰向けの状態で、両手を耳に沿える
2、軽く肘を閉じ、肘を外側へ開く
3、肘の開閉を1分間行う
③腕を交互に頭上へ上げる
1、仰向けの状態で、両腕を天井に伸ばす
2、片腕を頭上に上げ、地面方向に下げる
3、腕を入れ替えるように、逆腕を頭上へ上げる
4、交互に腕を動かし、これを1分間行う
④足裏を交互に突き出す
1、仰向けの状態で、脚を肩幅で伸ばす
2、足裏で真下方向を交互に押す
3、これを1分間行う
⑤脚を上げて体幹を捻る
1、仰向けの状態で、脚を腰幅に開く
2、脚を上げて体幹を軽く捻る
3、上げた脚を元の位置に戻し、逆脚を上げて体幹を捻る
4、これを交互に1分間繰り返す
⑥両膝を開閉させる
1、仰向けの状態で、両膝を立てる
2、脚を腰幅に開き、膝を開閉させる
3、これを1分間行う
⑦がに股で膝を引き上げる
1、仰向けの状態で、脚を腰幅に伸ばす
2、片脚をがに股に開き、膝を引き上げる
3、上げた脚を伸ばし、逆脚をがに股で上げる
4、これを交互に1分間行う
⑧上げた脚を交互に曲げる
1、骨盤の下に手を敷き、脚を浮かせる
2、膝を交互に曲げ、踵でお尻を軽く叩く
3、これを1分間行う
こういった方法を全てリラックスして行うことで、ほぼ全身の筋肉が緩み、身体はスッキリしていると思います。
朝は筋肉が硬くなっているので、寝ながら体操を行えば適度に身体も温まりますし、その後も仕事の準備や家事などもスムーズに入れると思いますよ。
もしこういったまとまった時間がない方は、何かをしながら以下のような体操もおすすめですね。
朝ストレッチはよくない?朝におすすめのストレッチ方法③:ながら体操
朝は何かとバタバタしているため、ちょっとした隙間時間に体操を行うだけでも十分効果的です。
特に「歯磨き」のタイミングは身体を緩めやすいので、ぜひ以下の体操を参考に実践してみてくださいね。
①歯を磨きながら骨盤で円を描く
1、脚を肩幅に開き、歯磨きを行う
2、骨盤で円を描くように回す
3、これを左右各1分間ずつ回す
②歯を磨きながら膝を交互に曲げる
1、脚を肩幅に開き、歯磨きを行う
2、足首をリラックスさせ、膝を交互に軽く曲げる
3、これを1分間行う
③歯を磨きながら踵を上げ下げさせる
1、グー1つ分の足幅に開き、歯磨きを行う
2、つま先を軽く開く
3、グッと力まない程度に、軽く踵を上げ下げさせる
4、これを1分間行う
④歯を磨きながら身体を左右に倒す
1、脚を肩幅に開き、歯磨きを行う
2、体幹を左右に軽く倒し、体側の筋肉を動かす
3、これを1分間行う
こういった動きを行うことで、時間がない中でもある程度筋肉が緩み、寝起きの硬い身体をほぐすことが可能です。
あともう1つおすすめの方法が、身体をぶらぶら揺らす体操なんですね。これは僕が常に実践していて、立って行う体操の合間にもかなり行っています。
身体をぶらぶら揺らすと、筋肉が緩みつつ血流が良くなり、冷えている全身が温まってきますよ。
朝ストレッチはよくない?朝におすすめのストレッチ方法④:ぶらぶら体操
ぶらぶら体操は、通勤時などにもできる方法があるので、会社に向かいながら行うのもおすすめです。
①肘を90度で手首を揺らす
1、肘を90度に曲げ、手首をリラックスさせる
2、手首を横向きにぶらぶら揺らす
3、これを1分間程度繰り返す
②肘を交互に曲げる
1、片肘を軽く曲げ、逆の腕は伸ばす
2、交互に肘から先を落とすように伸ばす
3、これを交互にぶらぶら状態で繰り返す
③手足同時にぶらぶら揺らす
1、両肘を90度に曲げ、手首をリラックスさせる
2、片脚を浮かせ、太ももをリラックスさせる
3、手首と太ももをぶらぶら気持ちよく揺らす
4、これを左右各1分間行う
こういった揺らす方法は、
・血流が改善する
・硬い筋肉が緩む
・老廃物を代謝できる
・体温が上がり、冷え性が改善する
などの変化が生まれるため、特に冬場や体が冷えている方には特におすすめです。
ここまでお伝えした何か1つでもいいので実践していただくと、「朝のストレッチはよくない」という発想にはならないので、ぜひ参考にしていただきたいですね。
「朝ストレッチはよくない」と言われる理由と8つのおすすめストレッチ方法のまとめ
今回は、「朝ストレッチはよくない」と言われる理由と8つのおすすめストレッチ方法について解説しました。
・朝ストレッチが身体に悪いということではない
・朝は筋肉が硬く、伸ばしづらくなっている
・その中で筋肉を強く伸ばすと、痛める可能性がある
・それは伸ばし方の問題で、朝ストレッチがNGなわけではない
・朝は静的ストレッチングよりも体操の方がおすすめ
・寝ながらできる方法もある
・何か1つでも実践すれば、朝ストレッチの効果を実感できる
こういった内容をお伝えしました。
今回のテーマだけに限らず、「〇〇はしてはいけない」みたいなことが言われることもありますが、すべては目的と方法次第なんですね。
ストレッチもやり方がまずいといつやろうと痛めますし、適切な方法で実践できるのであれば、いつ行っても効果を実感できます。
僕も朝ストレッチを実践して、ウエストが-10cm以上した実体験もあるので、朝にストレッチをしたい方は安心してしてもらって大丈夫です。
今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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