先日、6ヶ月間ほどぼくのパーソナルジムに通われているクライアントさんから、
ストレッチをして筋肉痛になるのは好転反応って聞いてんけど、本当?あんまりよくないんちゃう?
という質問を受けました。
このクライアントさんは、Youtubeでたまたまみつけたストレッチング動画を見て実践。その翌日に筋肉痛が出てしまったそうです。
僕のところでのセッションではほぼ筋肉痛が出たことがないため、余計に不思議に思ったそうなんですね。結論から言えば、
ストレッチング後の筋肉痛は、好転反応じゃない場合が多い
ということです。
筋肉を強く伸ばしすぎた結果であり、ある意味ストレッチングが筋トレのようになってしまったようなもの。ですので、やり方を改善すると筋肉痛は出なくなります。
絶対に避けたい考え方は、
筋肉痛が出ることは効果的だってことだから、この刺激を頑張って続けよう。
という内容です。
下手すると痛みにつながる可能性があるので、ストレッチング後の筋肉痛を求めるのはNG。
この記事では、
・本当に好転反応?ストレッチング後に筋肉痛が起こる原因
・筋肉痛が起こる方に行ってほしい3つのストレッチ方法
などを、パーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。
今回の記事の内容
本当に好転反応?ストレッチング後に筋肉痛が起こる原因
今回ご相談を受けたクライアントさんからお話を伺っていると、以下のような原因でストレッチングの翌日に筋肉痛が出ている可能性がありました。
・かなり強く筋肉を伸ばす
・反動を活用しすぎる
・無理なポージングで筋肉を伸ばしている
それぞれ詳しく解説します。
かなり強く筋肉を伸ばす
まず問題だったのが、
痛みを感じるぐらい強く筋肉を伸ばしている
ということです。
ご相談を受けたクライアントさんは仕事が忙しく、いつも週末が近くなるにつれて筋肉が非常に張って硬くなるんですね。
ストレッチングの動画を実践したのも金曜日でしたが、筋肉が硬くなっている状態でかなり強く筋肉を伸ばしたそうです。そうすると、
・ストレッチングで過度に筋肉を伸ばす
・防衛反応が働いて、筋肉が収縮しようとする
・収縮しようとしている筋肉を伸ばし続ける
・その結果、筋肉が発生してしまう
といったことが起こります。
上記の解説だけだと、少しわかりづらいかもしれません。例えば手にダンベルを持って、肘を曲げますよね。
こういう刺激では、筋肉痛は発生しません。
肘を曲げた状態で持ったダンベルを、少しブレーキをかけながら下ろして肘を伸ばしていく。
こういう筋肉を伸ばすような刺激のタイミングで筋肉痛が発生します。
ですので、ストレッチングで過度に筋肉を伸ばしてしまうと、それが原因で筋肉痛が発生します。
反動を活用しすぎる
続いて問題だったのは、
かなり反動を活用することが多かった
ということです。
筋肉を強く伸ばし続けるのも筋肉痛が発生しやすいですが、クライアントさんが実践した動画内容では、反動を活用する場面も多かったそうです。
心地いい反動を活用すると、可動域の改善に役立ちます。ただあまりに強く筋肉を伸ばすように反動を活用すると、これも過度に筋肉が伸ばされて筋肉痛が出やすくなるんですね。
ここまでお伝えした2つの原因は、みなさんも実践してしまっているかもしれません。この2つに対応すれば、ほぼ筋肉痛は出なくなるはずです。
無理なポージングで筋肉を伸ばしている
そしてもう1つ問題だったのが、
無理なポージングで筋肉を伸ばしている
ということです。
クライアントさんが実践したストレッチングの中に、脚を大きく前後に開いたこういうポージングがありました。
このストレッチングを行っている際に、微妙に前脚の膝を前に出すように動いたそうです。
こういうポージングはそもそもリラックスできませんし、前脚の前ももは筋トレ状態。筋肉が伸ばされながら力を発揮している状態になるので、筋肉痛が出ます。
この他にも無理な姿勢で行うストレッチングがいくつかあり、ここまでお伝えした、
・かなり強く筋肉を伸ばす
・反動を活用しすぎる
・無理なポージングで筋肉を伸ばしている
などが原因でストレッチングの翌日に筋肉痛が出ている可能性がありました。
今回のテーマと同じような疑問を抱えていた方もいると思うので、続いては筋肉痛が出さずに、ストレッチングの成果を引き出す方法をご紹介します。
筋肉痛が起こる方に行ってほしいストレッチ方法①:伸ばそうとしない
まずおすすめなのが、
筋肉を伸ばそうとせず、自然に伸ばされるポージングでストレッチングを行う
という方法です。
これは心地いいうえに、ストレッチング後のスッキリ感もより実感できると思います。もしストレッチングで筋肉痛が出た方は、以下の方法を実践していきましょう。
1、バンザイ+カエル足
1、仰向けになり、両膝を立てる
2、両腕をバンザイし、両膝は開く
3、その状態で、30秒間深呼吸を繰り返す
2、腕を軽く開いて両膝倒し
1、仰向けになり、両膝を立てる
2、脇を軽く開き、両腕を地面に置く
3、両膝を片側へ倒し、体幹を心地よく捻る
4、この状態で左右各30秒間深呼吸を行う
3、両腕を真横に伸ばす
1、仰向けになり、脚を肩幅で伸ばす
2、両腕を真横に開いて伸ばす
3、この状態で、30秒間深呼吸を行う
4、しゃがみ込んで壁にもたれる
1、脚を肩幅に開いて壁の前に立つ
2、しゃがみ込んで、壁にもたれる
3、身体を丸めて、30秒間深呼吸を行う
こういうストレッチング方法では、自分で筋肉を伸ばそうとしていませんよね。でも実際には、筋肉は適度に伸びています。
この方法だと過度に筋肉を引っ張っていませんので、適切にゆるめることができますし、筋肉痛は発生しません。
筋肉痛が起こる方に行ってほしいストレッチ方法②:小さな範囲で関節を動かす
続いておすすめなのが、
可動域を狭くし、気持ちよく動かし続ける
という方法です。
ここから動的ストレッチを活用しますが、頑張って大きく動かそうとすると筋肉痛が発生します。小さく軽く動かせば、筋肉が緩むけど筋肉痛は発生しません。
こういった方法も効果的なので、早速実践していきましょう。
1、肘を小さく曲げ伸ばし
1、仰向けになり、肘を90度に曲げる
2、手首をリラックスさせ、小さく肘を曲げ伸ばし
3、これを30秒間行う
2、肘を小さく内外に動かす
1、仰向けになり、肘を90度に曲げる
2、手首をリラックスさせ、小さく肘を内外に動かす
3、これを30秒間行う
3、両膝を小さく左右に動かす
1、仰向けになり、両膝を90度に曲げる
2、両膝を左右に小さく動かす
3、これを30秒間行う
4、股関節を小さく動かす
1、うつ伏せになり、脚を肩幅に開く
2、両膝を90度に曲げる
3、膝下を軽く開閉する
4、これを30秒間行う
5、膝を軽く曲げ伸ばし
1、うつ伏せになり、脚を肩幅に開く
2、膝を90度に曲げ、軽く曲げ伸ばしする
3、これを30秒間行う
こういった方法を実践すると、筋肉を伸ばすようなストレッチングとは違った気持ちよさを実感できると思います。
もし成果をより実感したい方は、「各1~2分間」実践していただくと、より筋肉が緩んで身体はスッキリします。
筋肉痛が起こる方に行ってほしいストレッチ方法③:重力を活用する
もう1つおすすめなのは、
重力を活用して筋肉をゆるめる
という方法です。
この方法が一番ゆるむ範囲が広く、成果を実感しやすいのでぜひ試してみてください。
1、四つ這いで頭をぶら下げる
1、四つ這いになり、首から頭をぶら下げる
2、リラックスした状態で30秒間キープする
2、肩から腕をぶら下げる
1、脚を前後に大きく開く
2、片手を前膝に置き、逆の腕は肩からぶら下げる
3、腕の重さを感じながら左右各30秒間キープする
3、腰から上半身をぶら下げる
1、脚を肩幅に開く
2、膝を伸ばし、お尻を後方に引く
3、腰から上半身をぶら下げる
4、肩から腕、首から頭もぶら下げる
5、この状態で30秒間キープ
こういう方法は僕もよく実践する方法で、簡単で広範囲の筋肉をゆるめることができます。
ストレッチング後の筋肉痛で悩まれている方は、こういった方法を実践すると良い成果しか実感しないので、ぜひできることを実践してみてください。
本当に好転反応?ストレッチング後に筋肉痛が起こる原因と3つの改善方法のまとめ
今回は、本当に好転反応?ストレッチング後に筋肉痛が起こる原因と3つの改善方法について解説しました。今回の内容をまとめると、
・ストレッチングで筋肉痛が起こるのは伸ばしすぎ
・筋肉は引っ張られると筋肉痛が出やすい
・無理なポージングをしても、筋肉痛が出てしまう
・自然に筋肉を伸ばせるストレッチングがおすすめ
・重力を活用すると、広範囲の筋肉をゆるめられる
こういった内容をお伝えしました。
ストレッチングだけに限らず、マッサージや整体などでも「好転反応」というある意味都合のいい言葉が使われがちですよね。
もちろんすべてがそうではなく、本当に好転反応で不調になってしまうことがあります。ただストレッチングに関しては、おそらくやり方のまずさが影響しています。
ですので、適切なやり方で実践できれば、いい意味での身体の変化を実感できるはず。今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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