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筋トレをした翌日に筋肉痛がくると「昨日の成果だ!」と、どこか心地良かったり達成感があったりしますよね。

ただ以前までは筋トレをすれば筋肉痛がきていたけども、最近は筋肉痛にならなくなった。そんな方は「筋トレが間違っているんじゃ…?」と不安に思うかもしれません。

原因によっては修正が必要ですが、筋肉痛にならなくなったという反応は全てが悪いわけではありません。今回は、筋トレ後の筋肉痛について深堀していきます。

この記事では、

・筋肉痛にならなくなった理由
・筋肉痛にならなくなったときの対処方法

などをパーソナルトレーナー歴12年の伊藤出(@izuru_style)が解説します。

 

筋トレで筋肉痛にならなくなった理由

現場でも筋肉痛について質問されることがありますが、筋トレ後に筋肉痛にならなくなったのは以下の理由が考えられます。

筋トレの刺激に適応した

まず考えられるのは、

一定期間同じメニューをこなし、その刺激に身体が適応した

ということです。

人間の身体はある刺激を一定期間受け続けると、その刺激に適応して筋肉痛が起こらなくなるんですね。

・筋トレを始めて数週間~1ヶ月間が経過した
・新しいメニューに変えて、数週間~1ヶ月間が経過した

これらに該当する方の場合、刺激に適応した可能性が高いと思います。

筋トレ経験がどのくらいかによって変わりますが、筋トレ初心者の方であればこのタイミングで筋肉痛がなくなっても身体は変化していきます。

ですので、筋肉痛がなくなった=効果がなくなったというわけではないので安心してもらって大丈夫ですね。

筋トレで行う動作がスムーズになった

2つ目の理由は、

筋トレで行う動作がスムーズになった

ということです。

そもそも筋肉痛が起こる原因は「筋肉が伸ばされながら刺激を受けた」ということで、以下のような動作をした場合に起こるんですね。

肘を曲げてダンベルを持って徐々に伸ばす

肘を曲げたところから腕を伸ばしていくと、力こぶの筋肉が伸ばされながら力を発揮している状態です。

こういった“ブレーキ動作”を行うことで筋肉痛が発生しますが、筋トレ初心者の方はトレーニング動作になれておらず、知らず知らずのうちにブレーキ動作が多くなることがあります。

トレーニングにも慣れてきて動作がスムーズになると、ブレーキ動作が改善されて筋肉痛が軽減することも考えられるんですね。

刺激が足りていない

3つ目の理由は、

刺激が足りなくなっている

ということです。

先ほど「刺激に適応した」ということをお伝えしましたが、筋肉をつける目的で筋トレを行っている方もいると思います。

筋肉をつけるトレーニング内容の場合、

・筋肥大する刺激を筋肉に加える
・筋肉痛が起こる

という感じで、筋肉を追い込むことによって筋肉痛が出ることもあります。ただ、1~2ヶ月間同じ刺激を加え続けると刺激に慣れてしまいます。

そうすると、負荷や刺激量が足りていないがために筋肉痛にならないということも考えられます。

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おそらく筋トレ初心者の方の場合、まだこのフェーズではない可能性が高いと思います。

筋肉痛はあくまで1つの指標

このようにさまざまな理由で筋肉痛にならなくなるわけですが、筋肉痛の有無は筋トレ効果の1つの指標にしかなりません。

・筋肉痛になる=効果がある
・筋肉痛にならない=効果なし

必ずしもこういったことにはならず、特に「シェイプアップ」や「ダイエット目的」の場合は、筋肉痛がなくても身体は変わっていきます。

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筋肥大が目的の方で筋肉痛が全くない場合は、適切な対応をとることが必要になりそうです。

では、こういった理由で筋肉痛にならない場合、どのように対応すればいいのでしょうか?

 

筋トレで筋肉痛にならなくなったときの対処方法

もし筋肥大が目的で筋肉痛が起こらなくなった場合、以下の方法で刺激を変化させましょう。

1、強度などを変化させて刺激を変える

まず最初に変えてほしいのは、

・強度(負荷)
・回数
・セット数
・休息時間
・リズム

などです。

これらが今まで以上の強度に設定できると、再度筋肉痛を実感できるようになるはずです。

具体的な数値設定の方法などは以下の記事で紹介しているので、こちらを参考に実践してみてください。

2、追い込み方を変える

続いても上記と似ていますが、扱う負荷をあえて下げて筋肉を追い込む方法を採用するのも効果的です。

筋肉は低負荷であっても本当の意味での限界まで追い込むことで、筋肉が肥大します。かなりきついですし、実際に経験から言ってもかなり筋肉痛が起こります。

今まで比較的に高重量でのトレーニングを行ってきている方は、さらに筋肉が大きくなるのでおすすめですね。

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この方法は以下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方はぜひ参考にご覧ください。

3、ネガティブトレーニングを行う

もう1つ筋肥大させやすく、強い筋肉痛が出る方法があります。「ネガティブトレーニング」という方法で、先ほどお伝えした筋肉が伸ばされながら力を発揮するような方法ですね。

この方法は筋肉にある「速筋」を刺激しやすく、速筋が刺激されることで筋肥大しやすくなります。

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この方法ではほぼ99%筋肉痛が出るので、今の筋トレに慣れてしまった方は実践する価値は十分にあると思います。

ネガティブトレーニングについては以下の記事で解説しているので、こちらを参考にどうぞ。

4、メニューを変える

もう1つおすすめなのが、

これまでとは違ったメニューを組んで実践する

という方法です。

メニューが変わることも刺激の変化ですので、また新たな筋肉痛が発生する可能性が高くなります。

ただ筋トレ初心者の方は、どのようにメニューを変えればいいかわからない方もいると思います。具体的なメニューの変え方などは、以下の記事で詳しく解説しているのでこちらをご覧ください。

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このようにさまざまな方法で刺激を変えると、また筋肉痛が出てきますし筋肉の成長を促すことにつながります。

ここまでは筋肉痛が起こるような刺激の変化を解説しましたが、新しい刺激に変えると筋肉痛が強く出る可能性があります。

あまりに強い筋肉痛は筋トレの効率を下げる可能性があるため、以下の対策も合わせて行って最低限の筋肉痛で抑えられるようにしましょう。

 

過度な筋肉痛をおさえる方法

筋トレ前後の過ごし方を変えることで筋トレ後に出る筋肉痛を軽減することができるので、いろんな方法をご紹介しますね。

1、筋トレ前に体をほぐす

できれば筋トレ前にウォーミングアップとして「体操」することをおすすめします。

筋トレ前に適度な体操などをすることでより関節をスムーズに動かせるようになり、筋肉痛が過度に起こりづらかったり力も発揮しやすくなるんですね。

行ってほしい体操は以下の動画で紹介しているので、こちらを参考に実践してみてください。

2、セット間などに筋肉を揺らす

続いてご紹介する方法は疲労回復にも役立ちますが、筋トレを行っている最中の、

・セット間
・種目間

などの休息時間に、筋肉をぶらぶら揺らしたり軽く関節を動かすことで筋肉痛が軽減できる可能性があるんですね。

筋肉を追い込むことで発生する「乳酸」などの代謝産物を、より早く代謝することができます。これによって、疲労回復が早まるそうです。

休息時間などに行ってほしい具体的な方法は以下の記事で紹介しているので、よかったらこちらをご覧ください。

3、筋トレ後のケアを行う

そして筋トレが終わった後に、ストレッチングなどで筋肉をケアすることで翌日以降の筋肉痛が軽減できます。

全身の筋肉を緩める方法は以下の動画内容でご紹介していますので、少しタイトルは違いますがこれをやれば翌日のスッキリ感はかなり変わってきます。

ちなみに、筋トレ後にお風呂に入ると筋肥大しやすいことがわかっています。

このことについては以下の記事で紹介しているので、こちらも参考にご覧ください。

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こういった対策を一緒に行うことで、筋肥大させつつ適度な筋肉痛を実感できるというわけですね。

続いては、シェイプアップ目的の方に知ってほしい筋肉痛の捉え方について解説します。

 

シェイプアップ目的であれば筋肉痛が出ない方がいい理由

身体を引き締めて細くしたい方の場合、筋肉痛を出さない筋トレ内容の方がいいかもしれません。

筋肉痛=速筋に刺激が加わる可能性

先ほど「筋肉痛が出るのは、筋肉が伸ばされながら刺激を受けたから」とお伝えしました。

これをエキセントリックな刺激といいますが、この刺激では筋肉にある「速筋」に刺激が加わるんですね。そうすると、

・エキセントリックな刺激で速筋に刺激が加わる
・速筋は刺激を受けると太くなる
・筋肉痛が起こる=速筋が刺激を受けたサイン

と考えることができます。

つまり、

・前もも
・ふくらはぎ

などに筋肉痛が起これば、それらを細くしたいのに筋肉がついて太くなる可能性があります。

ですのでシェイプアップ目的の方の場合は、筋肉痛が出ない方がいいケースもあるということです。

動作が硬くなる可能性

また、筋肉痛が出るとさまざまな動きがぎこちなくなりますよね。

そうすると、

・動作が不自然になって動きが硬くなる
・日常でも筋肉にストレスがかかり、筋肉が張ってくる
・そういう状態が続くと、むくみがひどくなる
・その結果、部分的に太くなることがある

こういった反応が起こる可能性もあります。

ですので、特に女性の場合は筋肉痛を出さない方が、よりシェイプアップできると考えられるんですね。

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もし筋トレ後のむくみで悩まれている方は、以下の記事を参考に改善してみてください。

筋肉痛がなくても身体は変わる

先ほど上記でもお伝えしましたが、シェイプアップ目的の方に知っておいてほしいのは、

筋肉痛が出なくても、身体は引き締まっていく

ということです。

ですので筋肉痛を追い求める必要もないですし、目的通りの適切なフォームで筋トレを続けていれば身体は変わっていきます。筋肉痛をすべての尺度にしないように気をつけてくださいね。

 

新説の筋肉痛のメカニズム

最後に筋肉痛について新説も出ているので、こちらもご紹介します。

先ほど、筋肉痛が起こるのは「エキセントリックな刺激が加わったから」とお伝えしました。ただここ10年ぐらいで、別の理由が分かってきています。

筋肉痛が起こる新しい仕組み

簡潔にまとめると、以下の通りです。

・筋トレをして筋肉が疲労する
・筋肉が疲労すると、筋肉の膜の透過性に異常が起こる
・これによって、ATP、アデノシンなどの物質が出てくる
・それらが血管内皮細胞に作用してブラジキニンが分泌される
・ブラジキニンが筋肉に作用する
・ブラジキニンを受容するたんぱく質が反応してNGFというたんぱく質が生成
・いつも以上に感度が高まってしまう
・その結果、普段何も感じない刺激を痛いと感じる=筋肉痛

少し難しい内容に聞こえるかもですが、簡潔に言えば、

筋トレをすると感度が高まる物質が分泌され、その影響で筋肉痛が出るのではないか

ということです。

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詳しく知りたい方は「石井直方のトレーニングのヒント」で紹介されているので、こちらを参考にしてみてください。

石井直方のトレーニングのヒント

これまでは少し見方が違っており、

筋肉が傷ついているのではなく、神経が過敏になる物質の影響で筋肉痛になっている可能性がある

ということです。

もしこの説が有力なのであれば、筋肉を揺らしたりケアをして循環改善ができると筋肉痛が軽減することも納得できます。

こういったことから今後の研究次第で、筋肉痛の改善方法は大きく変わる可能性があるというわけです。少し余談でした。

 

筋トレで筋肉痛にならなくなった3つの理由と対処方法のまとめ

今回は、筋トレ後に筋肉痛にならなくなった原因と対処方法をご紹介しました。

・筋肉痛は、エキセントリックな刺激を受けると発生する
・筋肥大が目的の場合、適切に追い込めると筋肉痛が起こる
・ただ、刺激になれたり動作がスムーズになると筋肉痛にならなくなる
・筋肉痛が起こらなくても、特に問題にならないこともある
・刺激に慣れた場合、刺激を変化させると再度筋肉痛が起こる
・シェイプアップ目的であれば、筋肉痛が出ない方がいい

こういった内容をお伝えしました。

冒頭でもお伝えしましたが、筋肉痛にならないと少し不安な気持ちがあるかもしれませんが安心してもらって大丈夫です。

適切な刺激に変えると再度筋肉痛が出たり、そもそも筋肉痛を追い求める必要がない可能性もあります。今回の内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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今回お伝えした内容は、パーソナルのセッションだとより確実に改善可能です。もしご自身で改善が難しい場合は、お気軽にご相談ください。

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